【話し合いの場づくり(1)】博報堂で行う話し合い

株式会社博報堂H-CAMP企画推進リーダー 大木 浩士
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こんにちは。博報堂の大木浩士と申します。

2020年3月に『博報堂流・対話型授業のつくり方』(東洋館出版社)という著書を出版しました。

博報堂では2013年から、中高生を対象とした対話型授業を、社会貢献活動の一環として実施しています。名前をH-CAMPと言い、これまでに約600校・7000人以上の生徒たちが参加してくれました。

博報堂では、「発想する力」をとても大切にしています。

その力を、話し合い体験を通して学んでいただくことがH-CAMPのテーマであり、その授業づくりのノウハウをまとめたものが本書になります。

 

教育改革が始まり、これから学校の授業には、話し合いの要素が取り入れられます。

話し合いは、その質を高めようとするなら、クリアすべき課題がいくつもあります。

生徒に話し合うよう指示さえすればうまくいく、そういうものではありません。

そこには技術が必要になるのです。

この度、教育新聞社様から、全10回の連載機会をいただきました。

ここでは、私がこれまで実践してきた話し合いの技術を、特に「発想力を育む、話し合いの場づくり」に焦点を当て、ご紹介していきたいと思います。

 

博報堂では、アイデアを生み出す際、必ず話し合いを行います。

よくブレインストーミング(略してブレスト)と呼ばれるもので、集まった人たちが雑談のような雰囲気で自由に意見を語り合います。

博報堂で行うブレストには、幾つかのルールがあります。

例えば、「人の個性の違いを尊重しよう」や「気軽で楽しい雰囲気づくりに配慮しよう」などです。

中高生と行う話し合いにおいても、それらをルールとして伝えることで、発想が広がる場づくりを実現しています。

 

私が生徒たちと行っているのは、「正解がないもの」を題材とした話し合いです。

新商品のアイデア、地域のPR、学校の授業を楽しくするアイデアなどが、具体的なお題になります。

お題を提示した後、私は「今から行う話し合いには、正解がない」ことを生徒たちに伝えます。

正解がないから、まずは発想のヒントとなるものをいろんな角度から探してみること、そのために自分とは違う意見に耳を傾けることが大切だと伝えます。

そして、話し合いを通じ生徒たちは、「人は考えることが違うのだ」「話し合いは、実は楽しいものだ」ということに気付きます。

 

話し合いとは、気付き合いです。

気付き合いを効果的に生み出すには、場づくりの技術が必要となります。

生徒たちの声を丁寧に聞きながら、そして失敗を重ねながら見いだした数々の実践的な技術。ぜひお読みいただき、お試しいただければと思います。

どうぞよろしくお願いいたします。

【プロフィール】
大木浩士(おおき・ひろし)
株式会社博報堂 H-CAMP企画推進リーダー。『博報堂流・対話型授業のつくり方』(東洋館出版社)著者。
1968年生まれ。栃木県出身。千葉大学卒業後、経営コンサルティング会社を経て、2001年より博報堂勤務。マーケティングや広告制作等の業務を経て、2013年に中学生・高校生を対象とした教育プログラム「H-CAMP」を立ち上げる。7年間で600回以上の対話型授業を開催。2016年に経済産業省が主催する「キャリア教育アワード」で、経済産業大臣賞と大賞を受賞。
「やりたいことがあるなら、形にする」が信条。個人の活動として、各種交流型イベントを企画・主催。とちぎ未来大使・交流企画プロデューサー/独立行政法人 中小企業基盤整備機構・人材支援アドバイザー/都市と地域の人をつなぐ 里都プロジェクト・代表/羽黒派古修験道 山伏、などの顔も持つ。
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