【困った保護者とどう向き合うか(8)】近隣住民とどう向き合うか

日本大学文理学部教授 佐藤 晴雄
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「困った保護者」とどう向き合うか


都内のある公立中学校の校門前には、学校の元保護者が経営する理髪店がある。その店主は、何かにつけて学校に苦情を申し出る。「校内放送の音がうるさい」「校庭の樹木の枯れ葉が舞い込んでくる」「帰宅途中の生徒がごみを投げ捨て、大声で話している」等々、次から次へと新たな苦情を寄せてくるのである。教員たちは、理髪店が定休の月曜日になると、店主の訪問があるんじゃないかとびくびくしていた。

あるとき、その学校で「職業人講話」に関する打ち合わせを行っていた。そこで、複数の職業を取り上げようという話になり、生徒の興味・関心の高い美容・理容などが話題になった。しかし、その場で全教員が「あの店主だけはないよね」という意見で一致した。

そこで、学校付近の関係店に依頼してみたが、どこも多忙や講話経験のなさを理由に引き受けてくれない。……

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