【子どもアドボカシー(7)】子どもアドボカシーの実践方法

熊本学園大学教授 堀 正嗣
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子どもアドボカシーの実践には、①信頼関係の構築、②権利に関する教育、③子ども参加の促進、④傾聴、⑤個別アドボカシー、⑥権利侵害への対応、⑦制度改善の7つがある。

①の「信頼関係の構築」は、子どもが「自分のことを大切に思ってくれている」「自分の味方だ」「対等に扱ってくれる」と感じられるような信頼関係を築くことが、アドボカシーの前提だということである。

②の「権利に関する教育」は、意見を表明するためには、子ども自身が自らの権利について知っていることが前提となる。ところが、子どもの権利条約や「意見表明権」について知っている子どもは少ない。参加型人権学習などを通して、自らの権利についての知識・スキル・態度を培うことも、アドボカシーの前提である。

③の「子ども参加の促進」は、例えば学級担任の場合には、日常の学級経営や授業において常に子どもの意見を聴き、参加を促すことが重要だということである。普段から意見を聴いてくれないおとなに、子どもが悩みを打ち明けることは難しい。

④の「傾聴」は、アドボカシーの出発点である。悩みを抱えているのではないかと思われる子どものサインを見逃さず、おとなの側から話を聴く機会をつくることが不可欠である。その際、気持ちを聴くことが重要である。

「目で聴き、耳で聴き、心で聴く」という言葉がある。愛情に満ちた受容的なまなざしで、気持ちを理解しようとする姿勢で聴いていくと、子どもは涙とともにつらかった経験を話してくれる。そのことで心が楽になるとともに、アドボケイトに信頼を感じ、また自分の考えが整理できるようになる。

⑤の「個別アドボカシー」は、意見表明に向けた支援である。他の人に伝えたい事柄について、考えをまとめ、言葉にできるように支援する(意見形成支援)。さらに自らの意見を個人的に、または会議の場などで伝える際に同席して、意見表明を支援し、希望に応じて代弁する(意見表明支援)。さらに子どもの願いが実現するように周囲に働き掛けるのである(意見実現支援)。

⑥の「権利侵害への対応」は、いじめや暴力、差別、虐待などの権利侵害を発見した場合に、解決のために支援する活動である。

⑦の「制度改善」は、子どもの声から学校の在り方を見直し、権利に根差して教育の質を向上させる取り組みである。また、子どもの声を基に、社会に働き掛けて子どもの権利を保障する施策や地域社会をつくり出す活動である。

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