【話し合いの場づくり(3)】話し合いのルールを伝える

株式会社博報堂H-CAMP企画推進リーダー 大木 浩士
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なぜ、生徒同士の話し合いが活性化しないのか。大きな理由の一つは、恐怖感です。

「自分の意見を、相手はどう受け止めるだろう」

「否定されたり、批判されたりしたらどうしよう」

「無視されるのが怖い」

こうした思いが、話し合いの際、生徒たちの中に生まれます。これを取り除くために私は、話し合いの前に「話し合いのルール」を生徒たちに伝えます。そして、安全で安心できる場をつくります。

 

以下、正解がないものをテーマにする場合、私が伝えている4つのルールをご紹介します。

 

①「批判をしない」。

どんな意見が出ても、人の意見に批判をしない。まずそのことを、ルールとして全員に共有します。

今から行う話し合いには、正解がない。だから間違いというものがない。

感性や価値観は、人それぞれ。批判をするのではなく、違いを尊重しようと、生徒たちに伝えます。

②「リアクションをする」。

批判をされると人は傷つきますが、無視をされても傷つきます。勇気を出して意見を言っても、誰からも何の反応もない。これはかなり堪えます。

そこで、人が話をしている時に、うなずいてみたり、「へえ」などとあいづちを打ってみたりすることをルール化します。聞いていることを態度で示すのです。

笑いたければ、声を出して笑っていいことも伝えます。

③「知られたくないことは、言わなくていい」。

自分が考えたことの中で、「これは知られたくないな」と思う情報がある場合、それは無理に話さなくてもいいことを、ルールとして伝えます。

④「脱線OK!」。

話し合いの時間を10分以上確保できる場合、このルールも伝えます。脱線OK。つまり、本題と関係のないことに話が広がってもOKというルールです。

人の話を聞いていると、疑問が生まれたり、何かがひらめいたりすることがよくあります。それらを話題にすることは、発想を広げる上でとても大切なのですが、実際には多くの生徒が気兼ねをして発言を控えてしまいます。

「関係ないことを、話してはいけない」、その先入観を、ルールを伝えることで壊します。脱線OK。だから、一見関係ないと思うような質問もOKになります。

博報堂では、ブレスト中の脱線を歓迎します。一見関係ないと思われる話の中に、発想のヒントや課題解決のカギが含まれていることを、経験を通して知っているからです。

 

これらのルールを伝えるか伝えないかで、場の雰囲気が明らかに変わります。

「話し合いのルール」については、私の著書『博報堂流・対話型授業のつくり方』(東洋館出版社)の第4章で詳しくご紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。

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