【話し合いの場づくり(4)】拡散と収束を分けた話し合い

株式会社博報堂H-CAMP企画推進リーダー 大木 浩士
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正解がないものをテーマにブレストをする場合、博報堂では、「拡散させる話し合い」と「収束させる話し合い」を分けて行います。私がH-CAMPで行う中高生向けの授業でも、同じやり方を採用しています。

 

拡散の話し合いで、話がどんどん広がっていくと、収集がつかなくなるのではないかと不安がよぎります。そして、ある程度のところで、まとめに走ろうとすることがあります。

これが良くありません。もし、生徒たちの発想力を鍛えたいと思うなら、拡散させる時は、徹底的に拡散させることです。

まずはいろんな意見を出してみる、そのことに集中させるのです。広げながら、まとめない。安易に結論らしきものに飛びつかない。

質の高いアイデアを生み出すために大切なのは、どれだけ拡散ができたかです。このような話し合いの進め方を、私は生徒たちに伝えます。

広げる時の話し合いは、思いつき発言、大歓迎です。くだらないと思う意見や素朴な疑問から、発想が広がったり、物事の本質にたどり着いたりすることはよくあります。

前回述べた「話し合いのルール」を伝え、安全で安心できる場をつくり、いろんな意見が飛び交いやすい話し合い環境を整えます。

 

拡散型の話し合いで大切なのは、メモをすることです。話し合いを通して出された意見やひらめきを、文字として書き残しておくよう、生徒たちに指示をします。メモ用の紙やノートは、話し合いの必需品です。

ちなみにメモをする時、きれいな字は必要ありません。消しゴムも不要です。落書きのような感覚で、時に絵を描いたりしながら、記録を残していきます。

 

考えを広げ切った後は、絞り、まとめます。収束のための話し合いを、広げる話し合いの後に、別途設けます。

話し合いが拡散から収束に変わる時、生徒たちの話を一度中断させるわけですが、場が熱を帯びてくると、それも一苦労です。そんな時は、中断時の合図を事前に決めておきます。私がよく使う合図は、「上がった手に気付いたら、話をやめて、自分も手を上げる」というものです。

まずは先生が手を上げる。それに気付いた生徒は、話をやめて手を上げる。その手に気付いた生徒が、さらに手を上げていく。

このような決まり事をつくることで、大声を張り上げなくても、5秒程度で話し合いは中断されます。

 

話し合いが中断した後は、収束の話し合いに向けて、注意事項を伝えます。その具体的な内容を、次回お伝えします。

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