【コロナ時代の若手教師自己研鑽術(1)】今だからこそ一斉授業の力量を見つめ直す

川崎市公立小学校教諭 土居 正博
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今回、「コロナ時代の若手教師自己研鑽術」と題した連載を開始いたします。新型コロナウイルスの影響で研修などが減り、どの学校も最小限の範囲で行われていることと思います。そんな中、若手教師がどのように自身の力量を高めていけばよいのか、本連載では同じ若手教師の目線から考えていきたいと思います。

新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、授業ではグループ活動やペアでの話し合いなど、子供が至近距離で接触するような活動を行わないようにしている学校がほとんどでしょう。そうすると、基本的には教師主体で進めていく「一斉授業」をせざるを得ません。

「主体的・対話的で深い学び」が求められる昨今、敬遠されがちなこの一斉授業ですが、授業の基本です。一斉授業をきちんとできて初めて、子供たちの活動を中心とした授業を構成していけるようになる、と私は考えています。ですから、これを良い機会として、若手教師は自身の一斉授業の力量を見つめ直し、高めていこうとすることが重要だと思います。

これまでの授業でも、明確な狙いや意図を持たずに一斉授業を進めていく中で、間が持たない(子供が飽きてしまう)という理由から、安易に「じゃあペアで話し合って」とか「グループで考えてみて」などと投げ掛けているようなこともあったのではないでしょうか。

このような流れの中、グループやペアで活動させても、関係のないことを話したり、遊んだりしてしまう子が、必ず出てきてしまいます。なぜ、このような状態に陥るかというと、話し合いに入る前に、教師が子供に問題意識や話し合う意欲を持たせられていないからです。

つまり、一斉指導の中で教師が出す課題や授業の展開の検討が足りないということです。これらは実は、一斉授業の力量の問題なのです。

「子供たちを中心とした授業」と言っても「はい、話し合いなさい」といきなり始めさせるのは無理があります。それまでに必ず、何のために、何について話し合うのか問題意識を醸成したり、どうやって話し合うのかなどの確認をしたりするはずです。これらの指導や構想を練ること自体が、一斉授業の力量でもあるのです。

これが、私が先に述べた「一斉授業が授業の基本」ということです。ですから、「一斉授業=今求められていない授業」と敬遠するのではなく、子供たちを中心とした授業をつくることができるようになるためにも、その力量を意識的に高めていくべきなのです。次回は一斉授業の技術について考えていきます。

【プロフィール】

土居正博(どい・まさひろ) 1988年東京都八王子市生まれ。創価大学教職大学院修了。川崎市公立小学校に勤務。国語教育探究の会会員(東京支部)。教育サークル「KYOSO’s」代表。『教員3年目の教科書 新卒3年目からグイッと飛躍したい! 教師のための心得』(明治図書)など著書多数。

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