【コロナ時代の若手教師自己研鑽術(4)】子供がやる気になる言葉掛けを磨く

川崎市公立小学校教諭 土居 正博
この連載の一覧

これまでの記事で、教師による「発問・指示・説明」の3つの指導言を磨くことの重要性や、その方法について述べてきましたが、実は教師による指導言はそれだけではありません。子供が学習に対してやる気を持つような「言葉掛け」も重要な指導言であり、重要な技術の1つです。

例えば、感想を書く際、なかなか書き始めようとしない子や少し書いてやめてしまう子がクラスにいるとします。その際、「頑張って書きなさい」とか「もっと書きなさい」などと言ってもあまり効果はありません。良いことを書こうとして何と書くか迷ってしまったり、そもそも書くこと自体に意味を見いだしていなかったりしているからです。

このような場合、私はクラス全体にいったん手を止めさせ、次のように言葉掛けするようにしています。

「考えをまとめてから書こうとしてあまり書いていない人が多いけれど、勘違いしていますよ。考えをまとめてから書くのではありません。書いているうちに考えがまとまってくるのですよ」

このように伝えると、子供たちは「書く」という行為への考え方が変わります。そして、考えがまとまっていなくても、とにかく書き始めて鉛筆を走らせていったり、書くこと自体に力を抜かず一生懸命書くようになったりします。

もちろん、入念に構想を練り、取材をしてから書く学習もありますが、授業の振り返りや感想などを書かせる場合はそうではありません。とにかく考えたことや感じたことなど頭の中にあるものを文字として表出していくことに意味があります。

そうして書いていって「自分はこういうことを考えていたんだ」とか、「だから自分はあの時、あの子の発言が少し引っ掛かっていたのか」などと自分の考えがまとまっていくのです。このように、教師の言葉掛けは子供をやる気にさせたり、伸ばしたりする上で重要な意味を持ちます。

子供がやる気になるにはどのような言葉掛けをしたらいいかは、教師がよく考えた上で行っていくことです。

その際、直接的に「〇〇しなさい」とは言わないようにします。それで子供がやる気になるのであれば、何も問題は存在しないはずだからです。直接的に言わずして子供がやる気になる言葉掛けを考えましょう。そして、その言葉掛けの背景には、教師の指導観や教科観などの裏付けがあることが望ましいと思います。

なお、例に挙げたような言葉掛けについてさらに詳しく知りたい方は、拙著『子どもの「全力」を育てる 国語科指導ことば50』(東洋館出版社)をご覧ください。

この連載の一覧