【学びの手段は、多い方が面白い(1)】「つくばチャレンジングスタディ」AIドリル

茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校校長 毛利 靖
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茨城県つくば市立みどりの学園は、2018年4月に開校したばかりの公立の義務教育学校である。開校以来、積極的にICTを活用した教育を展開してきた。そんな本校でのコロナ禍での対応を紹介する。

3月6日から休校になるという連絡が、市教委よりあった。報道などで中国の現状を知っていたため、本校では2月から卒業関連の準備や学校行事よりも授業を優先していたため、幸い休校突入時には年間の学習がほぼ修了していた。また、休校時に学年の復習ができるよう各教科のまとめのワークも事前に発注しておいたため、休校前に子供たちに渡すことができた。

そのため、3月の時点では万全の体制ができていたと言え、突然の休校に対しても「ちょっと長い春休みで、新学期の準備がしっかりできる」というぐらいの気持ちでしかなかった。

しかし、いざ休校になると、共働き家庭の子供たちを誰が預かるかという問題が浮上してきた。学童クラブはすでに密の状態になっているため、つくば市として、普段は学童クラブに行かない子供を学校で預かることになった。学年や学級を解体し、密にならない程度の人数を各教室に割り振り、対応することにした。

本校は義務教育学校であるため、後期課程(中学校)の教員が小学1年生に対応することもあった。全員登校しているわけではないため、授業をすることはできない。そのため、子供たちは学校から出された課題に自分の進度で取り組んでいた。

タブレット端末でドリルに取り組む児童

つくば市では、03年度より、学校からでも家庭からでもインターネットがあれば利用できるeラーニングシステム「つくば教育クラウド『つくばチャレンジングスタディ』AIドリル(シャープマーケティングジャパン)」を提供しており、今回の休校中も家庭からの利用を推進していた。

そこで、学校にあるタブレット端末を計画的に貸し出し、このドリルを利用できるようにした。ICTの活用は小学1年生でも普段から行っていたため、教員に操作方法を聞くことなく、子供たちは自力でやってみたい教科や単元を選んで学習していた。子供によって取り組んでいる教科や単元が違い、進度もまちまちではあったが、それぞれが自分のペースで学習していた。

AIドリルでは1問ごとに解答やヒントなどが出るため、評価のフィードバックがリアルタイムにでき、子供たちは飽きることなく学習に取り組んでいた。また、教材の選択画面では、各学年の教材ランキングが毎日更新されているため、どこを学習したらよいかで迷っている子供たちの助けにもなっているようであった。

【プロフィール】

毛利靖(もうり・やすし) 2001年茨城県小中学校教諭を経て、つくば市教委情報教育担当指導主事。市内小中学校の教育の情報化を推進。12年つくば市施設一体型小中一貫教育校春日学園教頭。16年つくば市教育局総合教育研究所所長を経て現職。文部科学省優秀教員。中央教育審議会臨時委員。文部科学省・総務省・経済産業省「未来の学びコンソーシアム」運営協議会委員、文部科学省「ICT活用教育アドバイザー」他。

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