【Withコロナ時代の体づくり(8)】「新たな生活様式」における運動部活動

東京学芸大学准教授 鈴木 直樹
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中学生や高校生の競技者が目標としてきた2020年の夏の大会が、次々と中止されています。中学3年生や高校3年生にとっては、学校生活最後の大会として練習の成果を発揮する場を失い、落胆している生徒も少なくないと思います。

Withコロナ時代の身体活動として、体育の授業以上に実施に難しさがあるのが運動部活動と言えるでしょう。体育や日常の身体活動は、「新しい生活様式」を取り入れやすい活動を選択して実施をすることができますが、運動部活動の場合、特定の種目を専門的に取り組むことが多いからです。

運動種目によっては、密閉された換気ができない状態での活動、接触を伴うプレーや組み合うことによる接触なども余儀なくされます。その意味でも、新たな部活動の在り方が求められるのではないかと思います。

運動部活動は、学校教育活動の一環として、スポーツに興味と関心を持つ同好の児童生徒が、教員などの指導の下に、自発的・自主的にスポーツを行うものとされます。そして、より高い水準の技能や記録に挑戦する中で、スポーツの楽しさや喜びを味わい、学校生活に豊かさをもたらす意義を有しています。

学校空間の中で3密を避け、こうした意義を実現していくことは、非常に厳しいと言わざるを得ません。そのためには、人数と時間を制限した活動が必要になってくると思います。

そこで、ICTを利用してつながることやVRを活用してのスポーツ・トレーニングを導入することも検討すべきではないかと思います。実際、Pestalozzi Technology(株)では「CoachX」というオンライン上のコンテンツを活用した部活動指導などのサービスをスタートしています。家庭も含めて複数地点を結び、外部指導者がオンラインで指導するものです。これは教員の働き方改革とも関連して、部活動の見直しにつながります。

VRゲームでの卓球

私はVRゲームで卓球をすることがあります。あまりの没入感に気付いたらそこが現実の場であるかのように錯覚してしまうほど、リアルな活動に近い身体感覚を得ることができます。仲間と協働して楽しむことはなかなか難しいですが、そのスポーツの醍醐味(だいごみ)を味わうことは十分可能です。

プロ野球球団の楽天はバッティングのトレーニングにVRを導入していますし、サッカーやバスケットボール、ボウリング、アーチェリーなどのVRゲームも存在します。

このように、Withコロナ時代の部活動改革に、ICTが一役買ってくれるのではないかと思います。

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