【教室には愛がいっぱい(2)】居てくれるだけでうれしい「愛の教室」

いもいも講師 薄田 京子
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ボランティアとして、初めていもいもの体験教室に参加させてもらった時のことです。当時、私は教育関係ではない仕事に就いていましたが、井本さんから「いもいも教室へ遊びに来ない?」と誘っていただきました。子供が大好きな私はその日が楽しみな半面、教室という場所と初めて会う人に緊張していました。

当日、教室に着くと5~6人のスタッフの方たちがいらして、井本さんが「今日一緒に参加してくれる京子ちゃん!」と私のことを紹介してくださいました。そして私に「居てくれるだけでいいから!」と言い放って、その後すぐに打ち合わせが始まりました。「あれ?私、自己紹介しなくていいの?どこの誰かも分からない人間が、ここに居ていいの?」と、不安になりました。

でも、慣れるまでに時間はかかりませんでした。皆さんはその日に来てくれる子供たちをどうやって楽しませようかと、目をキラキラさせながら話し合い、私を当たり前のように打ち合わせの輪に入れてくれるのです。

今ならこの時の皆さんの考えが、よく分かります。いもいもに居るスタッフはみんな、「子供をかわいがりたい」という心さえあれば、経歴や職業、スキルは必要ないと考えているんです。むしろ、いろいろな経験をして、個性があった方が面白い!と。

いつの間にか緊張や不安はどこかへ消え、楽しくて仕方がなくなっていました。そして、授業が始まると頭や体、表情を動かすワークを子供たちと共に全力でやっていました。

初めは緊張しながら教室に入って来た子供たちも、表情がどんどんほぐれ、笑顔になります。さらに、短時間で子供たち同士の関係性もできていきます。

大人も子供も「受け入れてもらう」ことがこんなにもうれしく、原動力になるのだと、当時社会人2年目の私は驚きました。参加した子供たちも、「安心できる」「怖くない」「ここにいていいんだ」などと感じてくれたのではないでしょうか。

後で聞いたのですが、この日は学校に行けていない子、友達とうまく話せない子などがいたそうですが、どの子も生き生きと無邪気な顔をしていて、全然分かりませんでした。

人に受け入れてもらうと、うれしいだけではなく、ありのままの自分でいることができ、自然と誰かを「受け入れてあげたい」と思うようになります。いもいも教室には、そんな輪がどんどん広がっています。

今の私がいもいもを言葉で表現するならば「愛の教室」です。あなたがここにいてくれるだけでうれしい。そんな空気をスタッフも子供たちも、自然と醸し出している教室です。

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