【教室には愛がいっぱい(5)】子供を評価、コントロールしたくない理由

いもいも講師 薄田 京子
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私が井本さんから学び、気付かせてもらったことはたくさんあります。私が教師にはならないと決めた理由が自分でも分からなかったという話を、本連載の第3回で書きましたが、もし、井本さんと出会っていなかったら、分からないままだったと思います。

自分自身と向き合い、考えることで「私は子供を評価、コントロールしたくない」という自分自身の考えに、気付くことができました。だからこそ、この思いを大切にしながら、いもいもで教室を作って行きたいと考えました。

井本さんは私たちスタッフに、教室はこうあるべきだなどと考えを強いることがありません。スタッフに自分で考えさせて、そしてそれを実行させてくれるのです。

もちろん、悩んでいるときの相談には全力で乗ってくれて、アドバイスもしてくれます。スタッフを全面的に信頼してくれていて、「自分が思うように、好きなようにやっていいよ」というのが井本さんの口癖です。

私が初めて自分の教室を持つときは、この言葉が自由すぎて、逆に授業で何をやったらいいのか分からず、考え込んだこともありました。その時は少しつらかったですが、そのおかげで自分の教室の生徒が本当にかわいく思えますし、大切な私の居場所でもあります。

次第に、そもそもなぜ私自身が「子供を評価、コントロールしたくない」という考えを持っていたのか、より深く考えるようになりました。別に誰かにそうした方がいいと言われたわけではありません。たくさんの時間をかけて自分を分析し、いろいろな方と話をして子供たちと触れ合う中で考えました。

すると、小さい頃の記憶が、大きく影響していると分かったのです。私は、両親、祖父母、親戚にたくさんの愛を注いでもらいながら育ちました。そして、自分のことを決めるときは、両親は私を信じて「あなたのやりたいことをやりなさい」と言ってくれました。もちろん、叱るときは厳しく叱ってくれましたが、一度も「あなたはこうなりなさい」と言われたことがなかったのです。

私が私でいられること、根底にある私の人格に大きな影響を与えていたのは両親だったのです。これに気付けたとき、私は両親の子供として生まれてきたことを誇りに思い、感謝しました。同時に、このことに気付かせてくれた井本さん、そしていもいもに出会えた私は、なんてラッキーなんだと心の底から思いました。

子供たちが何にも縛られず、自由に遊んでいるときのキラキラとした表情は、生きる活力につながると私は思っています。そんな空間が、いもいもから広がっていってくれたらいいなと願います。

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