【教室には愛がいっぱい(6)】「てしごと教室」から「あそび教室」へ

いもいも講師 薄田 京子
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私が担当する教室は「あそび教室」と「てしごと教室」の二つです。初めて持ったのは「あそび教室」ですが、実はこの教室、一度改名していて元々は「てしごと教室」でした。なんだかややこしいですよね。初期メンバーは3人で、裁縫やものづくりをする中で、自分を表現する教室としてスタートしました。

初回の授業は、Tシャツに自由に刺しゅうでお絵描きをする、「オリジナルTシャツづくりをしよう!」という授業でした。子供たちは2時間、休憩もせずに取り組んでいました。しかし、回を重ねるごとに、てしごとをする時間が、1時間、40分、20分と短くなっていきました。

では、何をしているかというと、教室で鬼ごっこやリレーをするんです。しかも全力で!てしごとの時間が20分を切った時、さすがにこれでは保護者の皆さんに説明ができないということで、井本さんと話し合いました。

時間を決めて、少なくとも1時間はてしごとをした方がいいのではないか…。でも、無理やりやらせてしまうことになるんじゃないか…。私がこのことを言った時点で、みんなの鬼ごっこをしている時の生き生きとした顔が曇ってしまうのではないか…。

悩みに悩んだ末、私は保護者に正直に状況を説明し、相談することにしました。私は子供たちに何かを無理やりやらせることはしたくない、何かをやりたいと思う自発性を大切にしたい、提案として、てしごとも含めてあそび全てを自分たちで見いだして楽しむ内容の「あそび教室」に改名したいという旨の長文メールを送信したのです。

あんなに返信をドキドキして待ったことはありません。普通だったら考えられないお願いをしているとの自覚はあったので、どうやって謝り、分かってもらおうかと考えをまとめていました。

次の日、3人のお母さん方から返信が届きました。内容はなんと、3人とも快諾!「教室でどんどんやりたいことや好きなことを追求して楽しんでほしい」「てしごとのときも遊んでいるときも子供たちは輝いていて、それがうれしい」「その方がしっくりきます」とのお返事をいただきました。とてつもなくうれしかったのを今でも鮮明に覚えています。

子供たちとの時間を思う存分、今まで以上に楽しめる喜びを感じると同時に、お母さん、お父さんの子供に対する愛の大きさを感じました。そして、私もこの子たちを愛するお手伝いをさせてもらえることに喜びました。いただいたメールは全部、フラグを付けて保存しました。私の宝物です。

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