【Withコロナから見たGIGAスクール構想(6)】ICT活用の日常化とGIGAスクール構想

埼玉県川越市立新宿小学校教諭 鈴谷 大輔
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ICT、特にGIGAスクール構想による端末整備は「買っておしまい」にならないよう、環境整備や実際に活用する方法など、広範囲をカバーした計画によって進めていく必要があります。

ICTを日常的に授業で活用するためには、児童生徒1人1台の端末だけでなく、指導する教職員にも個別の端末を整備することが適切でしょう。また、これまでよく見られた教師主導の活用にとどまらず、児童生徒が主体的に活用できるように、教員の授業観の転換も図る必要があります。

環境整備については、2019年度補正予算によって文部科学省がGIGAスクール構想の実現を図ることを目的とし、高速大容量のネットワークと児童生徒1人1台端末の整備について、補助事業を2023年度末までの計画で進めているところでした。

しかし、新型コロナウイルス感染拡大防止に伴い、児童生徒の学びの保障を図るべく、2020年度中の整備完了を目指した環境整備が急ピッチで進んでいるところです。

しかしながら、環境整備を行っただけでは、ICT活用の日常化にはつながりません。起動までに複雑な手順や認証が必要であったり、時間がかかったりする環境ではICTを活用しなくなり、文鎮化してしまいます。

実際に私が勤務する学校では、プロジェクターを使う際には、使いたい人が所定の場所へ取りに行き、使ったら戻すという作業が必要でした。そのような環境では、活用が積極的に行われないのは当然です。その後、試しに6クラスに大型テレビを常設したところ、使用率が上がりました。今では全ての教室に設置しています。

同じように、各自治体においては現在整備されている端末の課題を分析し、要件定義や基本設計などを行うことが必要となるでしょう。また、今後はクラウドの活用も進められるでしょう。

とある自治体では、クラウド上の学習マネジメント基盤を活用して、数万人もの児童生徒の学習ログの収集などを行い、学校や家庭などから学びを継続できるように準備しているという話も聞きます。

ICTの整備後は、単に個別最適化された学びを実現するだけでなく、学習ログを活用したエビデンスに基づく教育に転換していく必要があるでしょう。

ICTによる学びの個別最適化は、今までの一斉授業を崩壊させるほどのインパクトを持ち得ます。一人一人が自己の課題の達成に向けて、自らの学びを調整しながら取り組む姿は、従来とは全く違った学びの姿になるはずです。

次回は、その一歩手前である、「教職員や子供たちが日常的にICTを活用する」ために必要なことについて取り上げます。

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