茨城県つくば市立みどりの学園義務教育学校校長 毛利 靖
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現在、学校は通常登校に戻ったが、前回述べたように、今までと同じ形態で授業を行うことはできない。加えて、いつコロナで突然休校になるかも分からない。私たちは、そうした事態になっても慌てることなく、家庭で授業の続きができるようにしておかなければならない。
休校中に身に付いた家庭学習の習慣を無駄にしないことも大切である。そのためにも、ICTを上手に活用しながら、シームレスでハイブリッドな学習を進めていかなければならないと考えている。
そうした観点から、以前紹介した、学校でも家庭でもシームレスに活用できる教育用グループウエア「スタディノート10」(シャープマーケティングジャパン)は、分散登校が終わった後、通常登校になっても利用している。

当初は、9年生(中3)だけだったが、前期課程(小学校)の学園生も普段から利用し、いざというときに家庭からも利用できるようにすることが大切である。普段の学習に利用することは問題解決型の学習に取り組むことにもなるので、今後、積極的な活用を図っていきたい。
そのためにも、タブレット端末1人1台の環境が、できるだけ早く実現されることを待ちわびている。
萩生田光一文科相が述べているように、「子供たちの学びを保障し、誰一人取り残さない教育を展開する」ためにも、積極的にICTを活用していきたい。そのために大切なことは、休校になったときに慌てて活用するのではなく、日頃の教育活動から日常的にこれを活用し、主体的で対話的な学習を実践していくことである。
今回のコロナによる休校は、全世界の誰も経験したことのないことだったため、学校の対応が不十分であったとしても許されたかもしれない。しかし、2回目はそうはいかない。今回の経験を教訓にして、子供たちのために、全力で第2波、第3波に備えていかなければならない。
2030年代、誰も予測できない社会がやってくると言われてきたが、これとは違った意味で、予測できない社会がやってきてしまったのである。
全職員で知恵を出し合い、子供たちのためにできることは何でもする。そうしてちゅうちょすることなく実践する姿勢こそが、「主体的・対話的で深い学び」の実現を図る授業改善そのものではないだろうか。それを実現するためのアイテムの一つがICTであると確信している。
(おわり)