【学校×スマホ(7)】通知が課した4つの条件

兵庫県立大学准教授、学校における携帯電話の取扱い等に関する有識者会議座長 竹内 和雄
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今回の通知で、携帯電話持ち込みのルールが最も変わったのは中学校です。「原則禁止」は変わっていませんが、次の4条件を満たせば、「持ち込みを認めるのが妥当である」とあります。

①学校での管理や紛失等のトラブルの責任の所在が明確
②フィルタリングが保護者の責任のもとで適切に設定
③携帯電話の危険や使い方の指導が学校や家庭で適切に実施
④自律的なルールを生徒や保護者が主体的に考え、協力して作る機会設定

この4条件について細かく見てみましょう。(1)については、第一に保管方法を決定する必要があります。電源をオフにした上で学校側が預かるのか、かばんで自主保管させるのか、鍵付きロッカーに入れさせるのか。いずれの場合も紛失などのトラブルが起きた場合を想定し、承諾書などで責任所在を明確にしておくことが肝要です。

②については現状、対策が不十分な家庭が多いです。持ち込みの許可を出すこのタイミングで、フィルタリングを徹底するよう各家庭に促し、スクリーンタイム(iPhone)やファミリーリンク(Android)など、保護者が子供のスマホの使用時間を制限できる機能があることも、これを機に周知すべきです。特に低年齢での対策の有用性が分かってきているので、低年齢化が進む今、タイムリーです。

③については、スマホ所持の低年齢化が進む中で、取り返しのつかない事故・トラブルが起こり得ることを各家庭に伝えていく必要があります。本連載の第2回でも述べたように、現状は小さな子供が大型バイクに乗って、ヘルメットもかぶらずに街中を走り回っているような、そんな危うい状況にあると見ています。

④については、学校がルールを作って「守りなさい」と一方的に押し付けるのではなく、子供や保護者にルールづくりに参画させることが重要です。そのプロセスがなぜ必要なのかは、次回詳しく解説します。

今回の通知については、一部の識者から「国が一律に縛ることではなく、各教育委員会や学校が自分たちで考えるべき問題」との指摘もあります。確かにその通りで、現場が自律的にこの問題を考え、ルールなどを定めていくことが肝要だと私も思います。教委や学校は、文科省の発信する文書を金科玉条のように捉えがちですが、通知には法的拘束力も強制力もありません。

一方で、現場ではきちんとしたルールも定めずに、なし崩し的に携帯電話の持ち込みが進んでいる実態があります。このままでは、学校でのトラブル・事故などが増えるに違いありません。

そうした流れに歯止めをかけ、各学校に再考を促すという意味で、今回の通知は大きな役割を担っていると考えています。


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