【社会をつくり出す武器としての言語活動(11)】人権が語り落とすもの②

自由学園男子部教諭 高野 慎太郎
この連載の一覧
社会をつくり出す武器としての言語活動
「人権が語り落とすもの」について考える単元の2回目の授業では、ハンナ・アーレントの略歴を紹介した上で、著書の『全体主義の起源』を抜粋して読んだ。アーレントは、人間が人間であるだけでは人権は付与されず、人権を得るためには「足場」が必要だと指摘する。

では、どのようなときに、人は人権の足場を失うのか。アーレントはそれを「言葉」を喪失したときだとしている。「語られた言葉」が意味を持たず、「言葉」によって公共空間を営むことができなくなったとき、つまり「口の死せる者」となったときに、人は人権を失うと説いているのである。

前回の授業で、生徒は「フロイド事件」を報じるニュース映像を見て、フロイドさんが発した「息ができない」という叫びを聞いていた。……

この記事は購読会員限定です。購読を申し込むと、続きをお読みいただけます。