【自学自習ノート(5)】定着後の子供たちの変化

水戸市立石川小学校校長 豊田 雅之
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「いしかわスタイル家庭学習」が定着する前は、本校でもドリル宿題がメインでした。子供たちは毎朝登校すると、前日の宿題(漢字ドリル、計算ドリルなど)を提出します。クラスによっては、宿題を忘れずに提出したかどうかを確認する係がいることもあります。宿題を忘れると、名簿に赤で印を付けられます。中には、やむを得ない事情で宿題をやってこない児童もいますが、理由はお構いなしです。

ドリル宿題よりも提出率が上がった

こうなると、担任の子供に対する評価基準は「やってきたか、やってこないか」の2つしかなくなってきます。そして「やってこない」ことが多くなると、どうしても担任は怒ってしまいます。そして、子供によっては、「怒られないために宿題をする」ようになります。

「いしかわスタイル家庭学習」では、子供が宿題を忘れても、担任の先生は怒りません。もちろん、家庭学習の状況を確認して、助言はするようにしています。子供たちは、自分の興味があることに取り組んで、毎朝自学ノートを提出します。すると不思議なことに、怒られながら提出していた頃よりも、提出率が良くなったのです(写真参照)。

以前「宿題をやっていないから学校に行きたくない」と言う子がいましたが、そもそも宿題をやっていなくても怒られないので、その理由は通りません。その子は学校に来るようになりました。学校全体としても、不登校児童は減少傾向にあります。

あるご家庭からは、子供の変化についてお手紙をもらいました。一部引用します。

「(これまでは)親も子もゆとりのない毎日でした。それが、(ドリル宿題がなくなった)この1週間で全く変わりました。笑顔と会話が増え、叱ることが減り、親自身も声掛けの仕方を工夫するようになりました。子供は帰宅時にすでに宿題が終わっていて、ゆとりがあるからでしょうか、これまで何度言ってもなかなかできなかった、「お米とぎ、各部屋のカーテン閉め」のお手伝いを欠かさずしてくれるようになったばかりか、進んで庭掃除や風呂掃除をしてくれたり、時には一緒に夕食作りも…。」

ただ、今までの宿題のイメージが強すぎるからでしょうか、自学も雑にやってしまう児童がいて、その点は課題だと感じています。


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