【子どもたちからのSOS(1)】学校に行きたくない

国立成育医療研究センター「コロナ×こども本部」
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新型コロナウイルス感染症(以下コロナ)流行下において、感染症そのものによる健康被害はそれほど大きくないと考えられている子どもたち。しかし、2020年春の突然の休校に始まった一連の生活変化は、子どもたちの心身の健康に少なからず影響を及ぼしている。

(図)学校に行きたくないと思う頻度

本連載では、国立成育医療研究センターが実施している「コロナ×こどもアンケート」の分析結果を紹介する。調査の対象は、全国の小学生から高校生までの子どもと、乳幼児から高校生までの子どもを持つ保護者である。20年4月から12月までの4回の調査に、のべ約7千人の子どもと約2万5千人の保護者が協力してくれた。子どもたちの状況やSOSを踏まえ、今できる対応についてぜひ一緒に考えていただきたい。

第3回の調査では「さいきん1週間、学校に行きたくないことがありましたか?」と子どもたちに尋ねた。その結果、「いつも」「たいてい」「ときどき」の合計が約3割に上った()。

アンケートの自由記述につづられた子どもたちの思いをまとめていくと、学校に行きたくないと感じてしまう理由は大きく二つに分かれるようである。

一つは、感染症自体への不安。「感染するかもしれないところに毎日通うのも怖い」(中1)などだ。子ども本人に持病があったり、免疫力が低下している家族がいたりする場合は、感染リスクに対して特に敏感になるのかもしれない。「大人もそうかもしれないけど、(感染予防に関する)意識の差が浮き彫りになって、それを隠して過ごすのがつかれてしまう」(中2)こともあるだろう。不安な気持ちに寄り添い、具体的な対策を共に考えることが求められている。

もう一つは、学校生活への不満。「コロナを理由になんでもかんでも中止にしないでほしい」(小5)という学校行事の縮小・中止に対する意見や、「友だちと笑い合うことも、部活に取り組むこともさせてもらえず、ちっとも幸せではありません」(中2)、「マスクが苦しくて鼻を出していると、お友だちに注意されるのがいや」(小2)という日常生活の制限への意見もある。また、「学校のコロナ対策に参加したい。決められたことしかしないのはおかしい」(中2)という声も上がっている。

登校しぶりも大事なSOSのサインである。登校したくない背景には理由があるはずだが、必ずしも本人が理由に気付いていないこともある。登校を強制するのではなく、まずは優しくゆっくりとした口調で話し掛け、気持ちを引き出してほしい。

【プロフィール】

国立成育医療研究センター「コロナ×こども本部」 国立成育医療研究センター社会医学研究部・こころの診療部を中心とした研究者・医師有志の集まり。「コロナ×こどもアンケート」調査を通して、新型コロナ流行期の子どもと保護者の生活と健康の現状を明らかにすること、問題の早期発見や予防・対策に役立てること、子どもたちと保護者の安全・安心につながるような具体的な情報を発信することを目的として結成された。21年3月21日まで「第5回コロナ×こどもアンケート」を実施中。調査結果は同ホームページで公開、随時更新している。

 


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