【自学自習ノート(8)】コロナ禍の休校中も自学でOK

水戸市立石川小学校校長 豊田 雅之
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本連載の第3回でも少し触れましたが、当初この「いしかわスタイル家庭学習」は2020年度からの実施を考えていました。20年1月から準備をして3月に保護者に説明、試行期間を経て20年度からの本格実施というものでした。

校長室に自学ノートを見せにくる児童たち

それを前倒しして、19年11月末に保護者に説明、12月から3月までを試行期間とし、4月から本格実施という流れになったのです。こうして前倒しで試行を始めたことは、大成功でした。もし、このタイミングで試行を始めていなかったら、今頃もドリル宿題で苦しんでいたでしょう。臨時休校になったのが3月ですから、「いしかわスタイル家庭学習」を保護者に説明する機会さえ失われていたはずです。

よく言われるのは、「1年目で変えることができなければ、変えることができない」という言葉です。「1年目だから様子を見る」というのは間違いだと、この時私は確信しました。

臨時休校が決まった時、本校の児童はすでに自学に慣れてきているところでした。ニュースなどでは、家庭学習の課題の準備に追われる他校の様子が紹介されていました。もちろん、本校でも家庭学習用の課題は用意しましたが、自学に取り組んでいる子供たちを、私たち教員は信じました。過度な課題は配布しなかったのです。

むしろ、「学校からの課題は少なめにしよう」という話になりました。「課題が少ないと勉強しない」という考えではなく、「課題が少なければ、自学をやる時間が増える」という考えになっていたのです。私だけでなく、学校全体がそのような空気になっていました。保護者からも「課題が少ないと困る」という声はありませんでした。

5月になって分散登校が始まろうとした時、私は「自学を校長室に見せに来てほしい」と保護者宛てに一斉メールで連絡しました。その後、ワクワクして待っていると、次から次へと持って来てくれました。それも満面の笑みで。茨城県教委が進めている「いばらきオンラインスタディ」に進んで取り組んだ子もいれば、たくさんの枚数を使って折り紙工作を作った子、音楽の記号調べをした子、理科の実験をした子もいました。まるで、夏休みの自由研究のようでした。

その時から、校長室のドアはいつも開けっ放しです。今日もたくさんの子供の笑顔があります。


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