【自学自習ノート(9)】「働き方改革」にもつながる自学

水戸市立石川小学校校長 豊田 雅之
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「いしかわスタイル家庭学習」には、大きな柱が2つあります。1つは、これまで説明してきたように「家庭学習を受け身なものから主体的なものに転換する」ということです。そして、もう1つは「教員の働き方改革」です。

時間外勤務が減少した

ドリル主体の宿題は採点に時間がかかる上に、効果が限定的ではないかと思っていました。ですから、自学では担任は丸付けをしないことにしました。子供が自分で丸を付けるという流れにしたのです。

ドリル宿題では、子供の字が雑になってしまうことが多いと感じていました。作業をこなすだけで思考停止状態になっており、ドリルが効果的に活用されていないと思ったのです。

そんなノートを担任は一心不乱に丸付けしていました。間違っていると、赤ペンで直すなど、かなりの時間がかかります。放課後の職員室に、赤ペンのサラサラという音だけが聞こえてくるようなこともありました。教員からも、「やっただけの効果はあるのかなぁ」という声が聞こえてきました。そうした声を聞いて、「ドリル宿題を廃止して丸付けから教員を解放するしかない」という結論に至ったのです。

「いしかわスタイル家庭学習」マニュアルでは、ドリルの丸付けをしない理由を、次のように説明しています。

「丸付けをしないと、先生が暇になってしまうんじゃない?」

「担任の先生が、子供たち一人一人に寄り添う時間が増えます。今の子供たちの中には複雑な問題を抱えている場合もあり、今まで以上に適切に対応することができるようになります。いじめの未然防止にもつながります」

「今まで宿題の丸付けは、休み時間や放課後にやっていました。給食を急いで食べて丸付けなんてことをしている先生もいます。休み時間とはいえ、休めないのが現実で、教師の職業病は膀胱炎と言われています。文科省の統計によれば、月80時間以上勤務をしている小学校教諭は全体の8割もいます。本校でも同様の傾向があります。『働き方改革』の視点からも、保護者の皆様のご理解をいただきたいと思っております」

丸付けをしなくなって、時間外勤務時間は減りました。一昨年同月比で比べると、昨年12月は約11時間の減となり、一定の効果があったことが分かります。


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