【写話から浮かび上がる子供(8)】オンラインゲーム

博報堂教育財団こども研究所
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東京都中野区のAさんは「TETRIS99」という、オンラインで100人とつながって、自分対99人で戦うゲームに夢中だ。相手が強ければ強いほどハマるようで、「知らない人とつながって戦うのが楽しい」と話をしてくれた。99人相手に1位を取ったことはないが、2位ならあると聞いて驚いた。対戦相手は恐らく年上が多いのではないだろうか。お母さんと約束した「1日30分間」というゲーム時間は短いと感じながらも、その中で戦略を練りながら順位を上げていったのだろう。お父さんと一緒にプレーしするときもあり、「正直言うと…」と躊躇(ちゅうちょ)しながら「パパがあんまりうまくないから、指示みたいなことも」すると話をしてくれた。お父さんは「結構、面白い感じ」で「ノリがいい」らしい。そんなお父さんと二人で、寄り添いながらゲームを楽しむ姿が目に浮かんだ。

オンラインゲームは子供たちにとってコミュニケーションツール

群馬県前橋市のE君は「フォートナイト」というオンラインゲームが好き。イヤホンをつけて話す(ボイスチャット)機能が気に入っていて、友達が家に来たときにプレーしながらその友達とボイスチャットをした思い出を話してくれた。すぐ隣にいる友達と、あえて回線を通じて話をするのが面白いらしい。インタビュー後、E君のお母さんはこの友達の話が出たことが意外だったと話してくれた。友達は転校してしまい、E君が話題にすることがなかったそうだが、E君の心の中で友達との記憶は鮮明に残っていた。

広島県江田島市のE君の一番自分らしい写真は「マイクラとゆーちゅーぶ」。そこにはパソコン、キーボードとE君の手が写っている。パソコン画面をよく見てみると、左半分にマインクラフト、右半分にYouTube画面が見える。聞くと、E君がマインクラフトで遊ぶ傍らで、弟(当時4歳)がYouTubeを見ていたという。わざわざ一つのモニターを共有しなくてもと大人は思ってしまうが、きっと二人は同じ空間にいるのが心地よいのだろう。

この写話調査は2019年夏から秋にかけて行った。コロナ禍の休校措置をきっかけに、オンラインゲームの利用時間が急増した子供も多いのではないだろうか。そうした中で、また話を聞いてみたいところだ。


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