【なぜ学校改革を進められたのか(5)】「PDCA」ではなく「DoPDCA」

立命館守山中学校教諭 加藤 智博
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チーム担任制や定期テストの廃止といった麹町中学校でのさまざまな改革について、「どの程度の時間をかけて準備をし、どの程度の議論を重ねてスタートされたのですか?」とよく質問を受けます。

先に結論を言いますと、導入を決定するまでの時間はあまりかけていません。ただ、導入決定後には多くの時間を割いて、教員間で対話を重ねました。

これまでにもお伝えしてきた通り、麹町中は最上位の目標・目的を意識した対話ができる集団に成長していきました。そのため、不安要素を挙げて足踏みするのではなく、「どうすればうまくいく?」などとポジティブな会話を重ねながら準備を進めていきました。

また、初めての試みばかりだったこともあり、導入直後に想定外の課題が浮かび上がってきたことも少なくありませんでした。例えば、単元テスト導入時には、各教科の単元テストと再テストが同じ時期に集中してしまい、生徒たちの負担が大きくなってしまったこともありました。

その時も、「だから単元テストをやめて定期テストに戻そう」ではなく、「どうしたらこの課題を解消して、単元テスト方式を子供の自律を育む取り組みに発展させられる?」などとポジティブなやりとりがなされました。

その結果、「記入用の月予定表を貼り、どの教科がいつ・どの時間に単元テストをするかがひと目で分かるようにしよう。重なりが多かったら教科担当間で調整しよう」というアイデアが出てきました。

「PDCAサイクル」という言葉は、広く一般に定着していると思います。Plan(計画)→Do(行動)→Check(評価)→Action(改善)の順に業務の効率化・改善を図る手法です。このPDCAサイクルは非常に分かりやすく、取り入れやすい手法であるのは確かですが、欠点を挙げるとすると、最初に来るのがPlanだということです。

Planは大切です。ただ、学校現場に置き換えたとき、緻密なPlanが求められるために、Doできないことが多くないでしょうか。もちろん、子供の命や安全に関わることについては緻密なPlanが不可欠です。ただ、Doしてみないと分からないこと、Doしてみたら意外と問題は起きなかったということは、経験的にたくさんありました。

「DoPDCA」というPDCAの発展版があるそうです。麹町中での実践は、まさにこの「DoPDCA」だと感じています。


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