【子どもたちからのSOS(3)】ストレス対処法

国立成育医療研究センター「コロナ×こども本部」
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前回は、コロナ禍における子どもたちのストレス症状の現状を紹介した。コロナ禍でもそうでなくても、人生はストレスであふれている。大切なのは、ストレスと上手に付き合っていく方法を、子どものうちから正しく身に付けることである。今回は、子どもたちがストレス症状とどのように向き合い、対処しているのかに着目した。

子どもたちのストレス対処方法

2020年9~10月に実施した第3回調査では、小学4年生以上の子どもたちに8つのストレス対処行動を提示し、「とても嫌なことや困ったことがあり、気持ちが沈んだり、イライラしたりした時に、あなたがよくやっていること」を全て選んでもらった。一番人気があったのは「好きなことをして気晴らしする」で、6割以上の子どもが選んだ。続いて、「誰かに話して分かってもらう」「気持ちを吐き出す」が3割台だった(図)

ここに挙げられているストレス対処行動は、どれも「正解」だ。選んだ項目が多いほど、その子はストレスと付き合う方法をたくさん知っていて、実践できているということになる。

ところで、グラフを見て、子どもたちのストレス対処行動のレパートリーが少ないことに気付いただろうか。実は、一つも選べなかった子どもも1割ほどいた。ストレスに気付くことも、ストレスと付き合うことも、子どもはまだ大人のようにはできない(ちなみに同じ調査で保護者にも同様の質問をしているので、興味があれば報告書を参照してほしい)。

ストレス対処行動には、アンケートで提示した以外にもさまざまなものがあり、その中に優劣などはない。「頭の中で自分を褒めたり励ましたりする」「ぬいぐるみを抱きしめる」なども立派なストレス対処行動だ。多様なストレス対処行動があることを知り、それを習得しておくことで、ストレスと上手に付き合うことができる。レパートリーを増やし、自分に合っているものを知り、日々練習しておくとよい。お気に入りのストレス対処行動について、ホームルームなどで友達や先生と話してみたり、みんなで書き出してみたりする活動も、新しいストレス対処行動に気付くきっかけになるだろう。

その際に重要なのは、どんなストレス対処行動も決して否定しないことだ。アンケートでは2割弱にとどまっていた「誰かに助けてもらおうとする」が大切なストレス対処行動の一つであることも、折に触れてぜひ伝えてほしい。


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