【なぜ学校改革を進められたのか(9)】教員が学校の外で学ぶこと

立命館守山中学校教諭 加藤 智博
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学校改革を現場で推し進めてきた麹町中には、いわゆる探究心が旺盛な教員が数多くいました。正確に言うと、元々そういうタイプだったというより、勤めているうちにそうなったという教員が多いように思います。私自身もその一人でした。

なぜ、そうなったか。理由の一つは、麹町中が「教員以外」の方々との出会いが多い環境だったからだと思います。麹町中には、実にさまざまな業界の方がいらっしゃいました。学校関係者以外では、新聞社、出版社、アナウンサー、学者、経営者……。挙げればきりがありません。

そうした方々と話していると、学校の中から見えなかった世界をたくさん知ることができます。本当に楽しかったですし、発見や気付きに満ちた時間で、いつも「もっと知りたい」というスイッチが入りました。

ただ、この話は自分にとって戒めでもあります。生徒の未来に携わる「プロ」であるはずの自分が実社会のことを知らないまま、「世の中は……」「これからの社会は……」と生徒たちに伝えていたわけです。「教員は世間知らず」などと揶揄(やゆ)されることもあります。生徒の未来に携わる者として、視野や見識を広げるアンテナは常に立てておかなければならないと感じています。

私自身、多いときは週1~2日、平日の夜に講演会や勉強会に参加していました。関心は、コーチング、スポーツメンタルトレーニング、脳神経科学、企業経営と広がっていきました。学校が東京都千代田区内にあり、どの会場に行くにしても交通の便が良かったことも幸いしました。

時には同僚数人も誘って参加しました。一人で行くのもいいですが、複数人で行くとメリットもあります。例えば、一人で参加すると「勉強会に参加してものすごく勉強になった。明日からすぐに実践したい!」と思って翌日学校に行ったものの、自分だけ気持ちが盛り上がっていて、周りは昨日のまま……なんてこともあります。すると、少しずつ気持ちが落ちていきます。

でも、仲間と一緒に行くと、「昨日の話、すごく勉強になりましたよね!うちの学校ではどんな風に取り入れられますかね?」といった会話ができます。例えるなら、子供が人気バラエティー番組を見て、次の日に友達とその話題で盛り上がるイメージです。こうした会話が生まれると、良いサイクルが回り始めます。

現在は東京を離れてしまいましたが、オンライン化が急速に進んだおかげで、東京にいた頃よりも簡単に研修会に参加できています。


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