【子どもたちからのSOS(5)】コロナに関する偏見・差別

国立成育医療研究センター「コロナ×こども本部」
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人は、目に見えない敵(ウイルス)に対する不安や恐れにより、関連する人などの見える対象を敵と見なして、遠ざけたり差別したりしてしまうことがある。そうして生まれた偏見や差別は、人と人との信頼関係や社会のつながりを破壊していく。この問題は、新型コロナ流行初期から指摘されており、昨夏には文部科学大臣からもメッセージが発表された。今回は、子どもたちの中に潜む偏見・差別について考えたい。

コロナに関する意識(偏見・差別)

当センターが2020年11~12月に実施した第4回調査では、偏見・差別に関連した3つの項目について、子どもたちに尋ねた。「もし自分や家族がコロナになったら、そのことは秘密にしたい」について、「少し」「まあまあ」「かなり」当てはまると回答した子どもは63%だった。「コロナになった人は、なるようなことをしたのだと思う」は56%、「コロナになった人とは、コロナが治っても、一緒にあそびたくない」は22%だった。

この結果から、子どもたちにも、コロナに関する偏見・差別が少なからずはびこっていることがうかがえる。類似の内容を保護者にも尋ねた第2回調査(20年6~7月に実施)では、むしろ子どもの方が大人よりも偏見・差別を持っている割合が高いことが示唆された。

コロナによる偏見・差別について考える漫画教材

感染者に関するネガティブな報道、周囲の大人の不用意な発言が、子どもたちの考えや不安に影響している可能性がある。不安をあおられると偏見や差別が強くなってしまうため、子どもも大人も正確な情報を得ることで過剰な不安から身を守るようにしたい。

また、他人の差別的な言動に同調しないようにすることも重要だ。気を付けていても誰でもコロナにかかってしまうことはあるということ、かかってしまうこと自体が悪いのではなく、正しく予防することが大切だということを、学校や家庭で繰り返し伝えていくべきであろう。

もし、コロナにかかっても治れば人にうつらないこと、コロナにかかった友達が学校に戻ってきたら、今まで通り接すればよいことも、確認しておく必要がある。

第2回調査では、偏見・差別について尋ねた後に、回答者に啓発のための漫画を読んでもらった(図)。他にも、子どもたちとスティグマについて考える題材を、「第2回コロナ×こどもアンケート=教育機関向け資料」で紹介している。

年齢や特性に応じて、ぜひ子どもたちと一緒に考える機会をつくってほしい。


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