【子どもたちからのSOS(6)】コロナに関するいじめ・トラブル

国立成育医療研究センター「コロナ×こども本部」
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前回は、子どもたちの中に潜む偏見・差別について紹介した。今回は、コロナに関連したいじめやトラブルについて紹介したい。

コロナに関連したいじめやトラブル

当センターが2020年11~12月に実施した第4回調査で、コロナに関連したいじめやトラブルについて子どもたちに尋ねた。「自分がいじめられている」は1%、「いじめられている人がいる」は3%、「いじめではないが、友だちとの関係に(自分が)悩んでいる」は7%、「いじめではないが、友だちとの関係に悩んでいる人がいる」は5%だった(図)。各クラスに1件くらい、コロナに関連したいじめが発生していてもおかしくない状況と言える。この結果は、同じ内容を尋ねた第2回調査(文部科学大臣からのメッセージ「新型コロナウイルス感染症に関する差別・偏見の防止に向けて」が発表される前の20年6~7月に実施)とほぼ同程度だった。

アンケートでは「コロナになって悪口や差別されている人がいる」(小5)、「病気だって言ったらコロナウイルスだって言われた」(小5)といった実体験、「コロナになったらいじめられないかな」(小4)といった不安も寄せられている。「コロナの感染を少しでも抑えるためにあまり遊びに行ったり外食をしたりしないようにしている…(友達に)一緒に行こうと誘われると上手く断れなくてどうしたらいいのか分からない」(高1)という悩みもあった。

いじめやトラブルは、①予防、②早期発見、③対応――が大切である。①のコロナに関連したいじめやトラブルの予防では、偏見・差別をなくすことがとても重要で、ぜひ取り組んでいただきたい(前回記事参照)。②の発生してしまった問題を早期に発見するためには、普段から子どもたちがSOSを出しやすい環境を整備しておくことが、コロナとの関連の有無にかかわらず大切である。本連載の第4回で紹介した子どもの意見を聞くための取り組みのヒントも参照してほしい。③について、いじめやトラブルを発見した後は、発見者が一人で抱え込まないように、校長や他の教員、保護者とも情報を共有して早急に対応してほしい。実例を共有しておくことで、適切な対応や別の例の早期発見にもつながるはずだから、学校の垣根を越えて情報交換・ケースの蓄積をしていくことが望ましい。

また、こうした取り組みを適切に行うために、先生方のストレスをケアしておくことも重要であろう。この点については、本連載の最終回で踏み込んで考えたい。


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