【子どもたちからのSOS(7)】睡眠への影響

国立成育医療研究センター「コロナ×こども本部」
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今回は、子どもたちの睡眠への影響について考えたい。2020年9~10月に実施した第3回調査では、子どもたちの就寝時刻の変化、睡眠に関することについて尋ねた。コロナ前よりも1時間以上就寝時刻が遅くなった、あるいは不規則になった子どもは、小学校1~3年では16%、4~6年では31%に上った(図)

子どもたちの就寝時刻の変化

朝しっかり目が覚めるまで時間がかかると感じている子どもは、学年によらず4割前後を占めた。日中に眠気を感じている子どもは、小学校1~3年では18%、4~6年では31%、中高生では40%もいた。就寝時刻のずれや乱れが、これらの睡眠トラブルに影響している可能性がある。就寝の1~2時間前からメディア機器の使用を控える、起床後日光を浴びるなど、生活習慣の見直しが必要かもしれない。

また、コロナに関連したストレスが原因で、なかなか寝つけなかったり、夜中に何度も目が覚めてしまったりする子も1~2割程度いることが、これまでの調査で分かっている。悩みを一人で抱え込まないよう、子どもたちの様子に目を配ってあげることも大切だ。

一方、「朝起きられない」「日中に眠い」といった症状のある子どもたちの中に、「起立性調節障害」という病気が隠れていることがあることにも注意が必要だ。自律神経の働きの不調により、身体や脳への血流が低下するために起こる病気で、小学生の有病率は5%程度と言われており、学年が上がるほど高くなる。周囲が怠けやサボりと決め付けることで症状が悪化し、昼夜逆転や不登校を引き起こしてしまうこともある。

第3回調査では、「日中に眠気を感じている」について、保護者にも子どもの様子を尋ねた。自分の子どもが当てはまると回答した割合は、小学生の保護者で5%弱、中高生の保護者で10%強であり、子どもの回答の半数にも満たなかった。

つまり、日中に眠気を感じている子どもの多くは、保護者にそのことを気付いてもらえていないようだ。子どもたちの日中の様子は、学校の先生の方が保護者よりも感知しやすいかもしれない。

睡眠トラブルは、子どものQOL(Quality of Life=生活の質)や学力にも影響する。生活習慣の工夫で症状が改善しない場合は、積極的に家庭や医療機関と連携を図る必要がある。


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