【子どもたちからのSOS(8)】メディア機器の利用の影響

国立成育医療研究センター「コロナ×こども本部」
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前回は、子どもたちの睡眠への影響について紹介した。今回は、子どもたちのメディア機器(テレビやスマートフォン、ゲームなど)の利用への影響について考えたい。

学校再開後のメディア機器の利用時間

一斉休校期間中の2020年4~5月に実施した第1回調査では、小学生の約6割、中高生の約8割が、1日2時間以上メディア機器を見て過ごしていたことが分かった。1日8時間以上もの長時間利用も、小学生で5%、中高生で15%ほどいた。これらのデータには、勉強のために機器を用いた時間は含めていない。コロナ禍前よりもメディア機器の利用時間が長くなったと回答した子どもは7割以上に上った。学校が休みになったり、外遊びができなかったりしたことが影響したものと考えられる。

こうした影響は、学校再開後にも残っていることが分かった。20年9月~10月に実施した第3回調査では、子どもたちの1日あたりのメディア機器利用時間について、コロナ禍前との変化について保護者に尋ねた。小学生の約5割、中高生の約6割が、1日2時間以上に該当した(図)。また、全体の半数程度が、コロナ禍前よりも利用時間が1時間以上増えたと回答した。

現代の生活の中で、メディア機器を全く使わないというのは難しいだろう。しかし、長時間利用する習慣が一度ついてしまうと直すのは難しく、睡眠時間や運動時間の減少、視力の低下、ネット犯罪・トラブルのリスク増加などが懸念される。

第3回調査では、子どものメディア機器利用に関する家庭でのルールや認識についても、保護者に尋ねている。小学生の保護者では約7割、中高生の保護者では約4割が、メディア機器を使う時間について子どもとルールを決めていると回答した。子どもが見ているものや内容について、家族がよく把握していると回答したのも同程度だった。子どもが使用する機器にフィルタリングを設定しているのは、全体の約4割にとどまった。

新しい生活様式の中で、子どもだけでなく保護者もメディア機器の利用機会が増えた家庭が多いかもしれない。「1日の利用時間を決める」「食事中・就寝前には使わない」など、上手に付き合うためのルールを家族と一緒に作るように促せるとよいだろう。一方的にルールを押し付けるのではなく、なぜそのルールが必要なのかを子ども自身が理解し、納得することが大切だ。


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