【子どもたちからのSOS(10)】子どものSOSを受け止めるために

国立成育医療研究センター「コロナ×こども本部」
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本連載では、コロナ禍での子どもたちのSOSについて、さまざまなデータを紹介してきた。過去の大規模災害で、子どもたちの心の傷・症状は、時間がたってから顕在化してくることが知られている。一種の災害とも言えるこのコロナ禍、中長期的な影響にも注意が必要である。最終回の今回は、子どもたちのSOSに気付き、受け止めるために必要なことについて考えたい。

2020年11~12月に実施した第4回調査で、子どもたちに悩んだ/悩んでいる内容を尋ねたところ、約半数の子どもが「勉強」を選んだ(図)

子どもたちが抱いている悩み

「宿題が多過ぎ」(小4)、「学校の勉強が早くてつらい」(中3)、「スケジュールが詰め込まれ過ぎている」(高2保護者)…。休校期間の遅れを取り戻すためのカリキュラムのせいで、勉強に苦痛や負担を感じている子どもも多そうだ。

また、20年6~7月に実施した第2回調査で、勉強に関して子どもたちが家族の次に相談しやすいのは先生、という結果が出ている。特に家族との関係が良好でない子どもにとっては、先生が一番頼れる存在なのかもしれない。勉強以外のことでも子どもたちのSOSに気付き、早い段階で手を打ちたいと、多くの先生は思っているだろう。

一方で、「先生方の余裕が今まで以上にない」(小6保護者)など、先生の負担を指摘・心配する声も上がっている。20年9~10月に実施した第3回調査では、「私の学校の先生も、気軽に聞いてくれと言う割に何も実行しようとしてくれてないから、何をしても意味がないと思う」(小5)、「大人も、子どもと同じようにストレスがたまっていると思うから、大人にも寄り添ってあげて大人の心に余裕ができれば、子どものことも考えられるようになると思う」(小6)といった声も寄せられている。

前回、保護者のうつ症状、不十分なストレス対処を紹介したが、先生のメンタルヘルスはさらに深刻な可能性がある。平時から多大な責任と業務を担う先生は、コロナ禍でさまざまな対策や対応を求められる中で、頑張り過ぎたりストレスを抱えたりしていても、自分では気付かなくなっている場合があるかもしれない。

「第2回コロナ×こどもアンケート:教育機関向け資料」(https://www.ncchd.go.jp/center/activity/covid19_kodomo/report/2020Aug31_2nd_educatiionorg.html)では、大人が自分をいたわるためのヒントも掲載している。子どもたちを守るために、まずは先生が自分やお互いをケアすることを大切にしてほしい。

(おわり)


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