【PBL授業実践ガイドー実践編(2)】「プ譜」を使ったPBL授業デザイン

学びの道教育研究所代表 池田哲哉
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新年度、学校で「越境」して価値を生むPBLを進めていくための手法を「プ譜」(詳しくは本連載の「理論編」を参照)などのツールを使いながら、授業デザインをしていきましょう。

「プ譜」で授業デザイン
①獲得目標

1年間の最後にどのようなクラスになっていればよいでしょうか。

これは児童生徒・学校の経験値やわれわれ導き手自身のPBL経験値によって異なります。目安としては、1年目は子供自身がプロジェクトを何回か回すこと。2年目は担当教員が単体としてPBLを実施するだけでなく、周囲の教員、管理職や子供たちの周りの大人を巻き込み始めること。3年目は学校組織として自己生成的にプロジェクトを実施できることを目指します。参考までに、2020年度からPBLをスタートした城北埼玉中学・高等学校フロンティアコースの取り組みの動画がありますので、ご覧ください。

②勝利条件

PBLはどのようになっていたら成功でしょうか。単独のクラスでの導入なら、子供の何割がどのような状態になっていればいいのか。PBLの質・難度はどの程度なのか。学校外の関係者の範囲の広がりはどの程度か。こうしたことを明確にします。

③廟算八要素

これは使えるリソースの棚卸しです。われわれや児童生徒が使える時間は、どこから捻出するのか。カリキュラム・マネジメントを組織的に行わなければならない場合は、誰を巻き込まなければならないのか。協力してくれる教員は誰なのか。学校外リソースとなる人・卒業生・保護者・企業などはあるのか。PBL導入で最も肝となる要素と言えます。

④中間目的

ここで考えるのは、「越境」するプロジェクトでの物や人の状態です。主体的な子供とそうでない子供がどのような状態になっていればいいのか。課題の質はどのようになっていればいいのか。その子供たちにひも付く発表イベント・プロジェクトの運用・アプリ・ホームページなどのアウトプットは、どのような精度であるのか。学校外の協力者や企業との関係などをここで定義しておくと、打ち手としての施策が明確になるはずです。

⑤施策の打ち方

施策を考える上での大切なポイントは、われわれ導き手がコンテンツを決めるのではなく、仕掛けをつくることです。活動内容を考え、決めるのは児童生徒であり、われわれはそれを誘発し、整え、サポートすればいいのです。どのようなことが起きるのか、どのようなリソースがあるのかをあらかじめ想定しておくことなどが重要となります。

「今回の解説動画」城北埼玉高等学校フロンティアコースの取り組みはこちら↓
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