【対話から始める学校づくり(1)】高校生らが「学校内民主主義」の実現を文科省に提言

日本若者協議会代表理事 室橋祐貴
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2021年1月28日、筆者が代表理事を務める日本若者協議会では、現役の生徒会長の高校生を座長として設置した「学校内民主主義を考える検討会議」での議論を踏まえて作成した要望書を文科省に提出しました。要望の中身は、以下の9点です。

  1. 校則の改正プロセス明文化を求める通知の発出
  2. 主権者教育の手法に「学校運営への生徒参加」を含める
  3. 生徒会活動に関する副教材の開発・全校配布(グッドプラクティス集、ガイドブック)
  4. 「調停者制度(メディエーター)」の導入(地域ごとに専門人材の配置)
  5. 「子どもの権利条約」について教職課程に盛り込む
  6. 学校の第三者評価機関を設置
  7. 学校運営協議会制度(コミュニティ・スクール)において「生徒参加」を盛り込む
  8. 生徒会活動・校則に関する全国的な実態調査の実施
  9. 教職員の働き方の改善

この他に、各地方自治体・教育委員会向けには、「学校自治に関する条例策定」、学校評価の観点に「生徒の声・関与」を取り込むことなども求めています。

近年度々ニュースで取り上げられている、人権侵害にも当たるような「ブラック校則」の撤廃はもちろん必要ですが、要望書ではその改正プロセスの見直しを求めました。

なぜ「ブラック校則」の見直し(撤廃)ではなく、「学校内民主主義」と呼んでいる学校内でのルールメーキングの見直しを求めたのか。本連載では、この提言に至った背景や国内外の先進事例、現状の課題などについて述べていきたいと思います。

具体的な内容に触れる前に、提言をまとめた日本若者協議会について紹介します。日本若者協議会は、15年に立ち上げた、「若者の声を政策に反映させる」ことを目指して活動する若者の団体です。これまで若者の政治参加を中心に、教育、労働、ジェンダーなどについて提言してきました。今回の提言のきっかけになったのも、これまで若者の政治参加について提言してきたことが大きく関係しています。

今回の提言は、個人会員約 600人、団体会員60団体から成る会員の声に加え、生徒会役員経験者らを中心とした全国の高校生5人・大学生5人の計10人で構成される「学校内民主主義を考える検討会議」で議論してきた内容、有識者・教員・官僚らへのヒアリング内容、オンライン上でのアンケート結果を踏まえてまとめました。提言を出した後は、各政党や地方自治体、教育委員会とも意見交換を重ねています。

そうした中で、新たな課題も見えてきており、本連載では、要望書では触れていなかった点についても述べていきたいと思います。

【プロフィール】

室橋祐貴(むろはし・ゆうき) 1988年、神奈川県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒、慶應義塾大学政策・メディア研究科修士2年。若者の声を政策に反映させる「日本若者協議会」代表理事。専門・関心領域は政策決定過程、社会保障、財政、労働政策、若者の政治参画など。

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