【PBL授業実践ガイドー実践編(5)】「正解マインド」から「自分軸マインド」へ

学びの道教育研究所代表 池田哲哉
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PBLで教科・学校・自分の限界という枠を「越境」するためには、導き手がティーチャーからファシリテーターへ変わることが重要です。児童生徒も「教えてもらう」ことに慣れてしまっているような場合は、「自分が好きなことを探究していけばいいんだ!」とマインドセットを整える必要があります。そんな方法の一つをご紹介します。

山藤先生の取り組み

年度が替わった当初の時期は、子供のマインドを変えるのにちょうど良いタイミングです。最初の授業でお勧めしたいのが、「I LIKE I CAN ワーク」です。子供を「正解マインド」から「自分軸マインド」に変える簡単な実践で、どんな教科でも使えます。やり方は次の通りです。

①ブレストの要領で付箋を使って「好きなこと・できること・やりたいこと」を出しまくる(3分)

②アイデアをグルーピングしてみる(5分)

③どのグループのアイデアをプロジェクトにしたいか考える(5分)

こうして課題を自分事化することで、「正解マインド」に代わる新しい価値軸をつくることができます。

新渡戸文化学園の山藤旅聞先生の取り組みは、①自分の好きなものを書き出す、②好きなものを要素分解してみる、③それぞれの要素とSDGsの関係を考えてみるという流れで、SDGsの課題へと無理なく関係付けられるそうです。ポイントは動画で紹介していますので、ぜひご覧になってみてください。

このようにして、子供たちが本当に好きなこと・やりたいことを探究できるようになってこそ、われわれがティーチャーではなくファシリテーターになれている証しと言えます。ただし、時間がかかるので、ゆっくりと構えて実践していくことが大切です。

また、「学校で取り組む内容ではなく、果たして学校の授業枠でやってよいのだろうか」と、迷うようなアイデアを出してくる子供たちもいます。「何でもいいんだ」と言った手前、こうした場合はどうしたらよいのか、教師も迷います。しかし、このような場面が出てきたときこそチャンスで、教室のコミュニケーション文化を決定づける大事な機会となります。次回はこのテーマを扱ってみたいと思います。

「今回の解説動画」山藤先生の動画はこちら↓

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