【個別最適化された学び(2)】ユニークな子どもたちが集まる場「ROCKET」

株式会社SPACE代表取締役CEO 福本 理恵
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今回は、私が2014年の立ち上げから約6年にわたってプロジェクトリーダーを務めてきた「異才発掘プロジェクトROCKET(以下、ROCKET)」についてご紹介したいと思います。ROCKETは日本財団の全面的な資金提供を受けて、東京大学先端科学技術研究センターでスタートした教育プロジェクトです。「ROCKET」の名称は「Room of Children with KOKOROZASHI and Extra ordinary Talents」の頭文字を取ったもので、「志と特異な才能を持った子どもたちの集まる場所・空間」の意味が込められています。人と同じ学び方でなくてもいい、ペースが違っていても興味関心が偏っていてもいい、特異を生かしてセルフプロデュースしながら学ぼうというコンセプトで進めてきました。

ROCKETの活動風景。石巻で実施した生物プログラムで、食物連鎖の証拠を検証している様子

学校という枠の中になじまない子どもたちの中に、実はたくさんのユニークな才能が埋もれています。空気を読まずに好きなことに没頭できる彼らをつぶさないことが、社会全体の閉塞感を打破していく起爆剤になるのではと期待したことが、ROCKETを生んだ背景でもあります。

ROCKETを始めた当初は不登校に対してネガティブな印象が色濃かったですが、2016年12月に「教育機会確保法(不登校に関する日本で初めての法律)」が成立。2017年2月に施行されると、オルタナティブ教育の需要も拡大し、不登校の学びも社会的市民権を獲得し始めたように感じています。

ROCKETではAI時代を生き抜く力を「R2D2」と称して掲げ、未踏の課題が山積する時代に向けた未来の教育を独自に試行してきました。「R2D2」とはResilience(変化に耐え得る柔軟性)、Reality(リアリティ)、Development(深掘り)、Diversity(多様性)の頭文字を取ったものです。基本的にはActivity Based Learningという活動から学ぶスタイルで、R2D2が育成されるようプログラムが設計されています。

AI時代に求められるのは、予定調和ではないことを面白がって開拓していく果敢な探究者です。満遍なくこなしていく力とは対極にある、偏った力を発揮する多様な人々が協働し合う社会にこそ、イノベーションの鍵があるのではないか。ROCKETはそこに価値を見いだし、学校という枠を飛び出したユニークな子どもたちを集めた、学びのコミュニティーを醸成してきました。

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