【対話から始める学校づくり(4)】子どもの権利が十分に保障されていない日本

日本若者協議会代表理事 室橋祐貴
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学校関係者で、子どもの権利条約第12条に、「子どもの意見表明権(therighttobeheard)」があることを知らない人はあまりいないと思います。しかし、実質的には十分に保障できていないのが現状です。

熊本市教育委員会が2020年8月に実施した、市内の学校や教職員、児童生徒を対象にした「校則・生徒指導のあり方の見直しに係るアンケート」の調査結果を見ると、ほとんどの学校が定期的に校則の見直しを行っている一方で、見直しの過程で、教職員のみで作成・検討・決定していた学校が115校に上り、全体の8割を超えました。子供や保護者の意向を踏まえる学校は、「児童生徒の意見を聞く」が6校、「児童生徒が提案する」が3校、「保護者の意見を聞く」が2校、「児童生徒・保護者が検討に加わる」が2校と、ごく少数にとどまっています。

日本若者協議会が20年11月に実施したアンケートでも、「学校に関することを児童生徒が意見を表明したり議論したりする場はありますか?」という質問に対し、57%が「ない」と回答しています。ちなみに、「一時的にある」が30%で、「ある」は13%です。

一方、9割以上が「学校に関することを児童生徒が意見を表明したり、議論したりする場が必要」と回答しており、改善の余地があると言えます。

次に、「学校内民主主義」が必要な理由も、生徒からの自由回答で書かれているので、いくつか紹介したいと思います。

「校則の内容や下校時刻だったりと生徒が納得していないことが多々あるから」(愛知県・国公立高校生徒)

「学校の理念の一つに『主体性』とある割には、ただ上からのことを受け流しやり過ごし何も疑問に思わないような教育が行われている。数年前まで全学年で弁論大会があり、学校の体制について批判した生徒がいた翌年から弁論大会がなくなった。掲げていることとやっていることが全く違う。理念通りの教育をしたいなら生徒がそのように議論する場が必要だと思う」(静岡県・国公立高校生徒)

「高校の生活主体は生徒であり、自分たちの生活環境は自分たちが主体的に決めるべきであって、大人はあくまでもそれが行き過ぎないようにするブレーキ役であってほしい。決して、大人が主体になって生徒を縛り付けるべきではない。校則が拘束であってはならないと感じるから」(岐阜県・国公立高校生徒)

「自分たちで作った校則や行事であれば、教師から押し付けられているという意識が消え、積極的に参加できる。また、生徒の声を聞き入れてくれるのであれば、教師への信頼度も上がる」(埼玉県・国公立高校生徒)


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