【ほめ方叱り方(4)】レッジョ・エミリア教育の特徴

モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育研究者 島村華子
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モンテッソーリ教育と同様、レッジョ・エミリア教育もオルタナティブ教育の一つです。レッジョ・エミリア教育の特徴を「子どものイメージ」「教師の役割」「学習方法」の3つの観点から紹介します。

まず「子どものイメージ」ですが、レッジョ・エミリア教育は、子どもは権利を持った市民であり、生まれながらに機知に富んだ力強い学習者であると捉えています。子どもの市民権を尊重しているからこそ、子どもの「100の言語(子どもの表現の多様性)」に大人が耳を傾け、日常の意思決定に子どもを含むのが当然だと考えているのです。子どもに「対して」何かをするという視点から、子どもと「一緒に」参加するという視点への移行が、従来の教育と大きく異なる点です。

次に「教師の役割」ですが、教師は子どもの共同学習者、そして研究者としての役割を担います。モンテッソーリ教育は一歩下がって子どもを見守るスタンスが基本なのに対し、レッジョ・エミリア教育では、教師が子どもと一緒に共同学習者として学んでいきます。

レッジョ・エミリア教育の普及の立役者であるローリス・マラグッチは、教師の役割自体を教えることから、学ぶことにシフトする必要があると主張しています。大人は教授者としてではなく、共同学習者として子どもの遊びに参加することで、一緒に知識を構築していきます。また、教師は研究者として、子どもたちの声に耳を傾けるほか、観察と記録を繰り返し、データを集めながら、子どもたちの成長や好奇心への理解を深めていきます。この工程を経て初めて、教師は子どもの学びを効果的に拡張する手伝いができるのです。

最後の「学習方法」については、問題解決学習が中心です。子どもたちの共通の興味に基づき、教師が一緒にプロジェクトを形成していきます。最初から学習内容が決まっているような既存のカリキュラムとは違い、「出現型カリキュラム」と呼ばれ、その場にいる子どもたちの「なぜ?」という疑問や好奇心をもとにプロジェクトが変容していくのです。国や文化、さらに時代も違えば、子どもたちの関心事や意見も変化するため、一つとして同じプロジェクトにならないのが面白いところです。

また、協働学習を通して、子どもたちは協調性や相互尊重を学んでいきます。知識構築は個人のものではなく、他者との共存の中で生まれるものだと考えられている点も、レッジョ・エミリア教育の大きな特徴です。


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