【対話から始める学校づくり(5)】校長・教職員間でも欠ける民主的な意思決定

日本若者協議会代表理事 室橋祐貴
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「学校内民主主義」が必要なのは、教職員・児童生徒間だけではありません。校長・教職員間でも必要だと考えています。

それは教員も「社会」(学校)の一員であり、声を上げるべき主体だからです。もっと学校には「対話」が必要だと言うと、「そんな余裕はない」という回答がよく返ってきますが、むしろ「対話」がないからこそ余裕がないのではないでしょうか。

本音では無駄な時間だと思っていても、前例踏襲でなんとなくやっている、本当は改善のアイデアがあるのに意見を言わない(言っても聞く耳を持たれない)。「ブラック校則」に関しても、「教育新聞」のアンケートでは、6割以上が「見直した方がよいルールがある」と回答しており、教員がもっと声を上げられるようになれば、さまざまなルールや無駄な作業が見直されるはずです。それは、文科省が始めた「#教師のバトン」プロジェクトでの、ツイッター上の反響(不満の声)の大きさを見ても明らかではないでしょうか。

学校改革の成功事例としてよく挙げられる千代田区立麹町中学校でも、学校改革の成功要因の一つとして、職員室での教員同士の対話が挙げられています。一方、ここ20年ほど、制度的には校長の権限強化、管理と規律の強化が進められています。2000年の学校教育法の改正により、校長権限が強化され、職員会議は「校長の補助機関」となり、東京都教育委員会は06年に職員会議で教職員の意思を挙手や採決で確認することを禁止しました。

文科省も14年に都教委と同じ内容の通知を出し、翌年にはそれが守られているかどうかの全国調査を実施して、守っていない学校には是正を求めています。こうして職員会議で教職員が自由に議論して決定していくことがなくなったこともあり、校則を含む学校運営の全ては「校長が決める」という状況になっているのです。

しかし、それでは校長のアイデア・意識に、学校生活、業務内容が縛られるため、非常に効率が悪く、問題があることは言うまでもありません。最終的な責任者が明確に決まっていることと、その決定のプロセスで意見を集めないことは全く別です。そして、教員の声さえ聞かないのだから、子供の声を聞こうと思わないのは当然のことです。

逆に、教員同士で活発に対話が行われているような学校が、子供の声はほとんど聞かないというケースがあるとは思えません。なぜなら、対話の意義・重要性を理解しているからです。

もしかしたら、「学校内民主主義」を実現するための第一歩は、教員同士の対話の活性化にあるのかもしれません。

 


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