【PBL授業実践ガイドー実践編(9)】次の学びに向かわせる方法

学びの道教育研究所代表 池田哲哉
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探究学習やPBLでの成果発表が一般的なプログラムの最終段階ですが、児童生徒の学びを深めるには、成果発表で終わらせてはいけません。いかに内省し、振り返り、自分が行ったことやこれからしていくことへ強いモチベートをかけるかが、最大のポイントです。

PBLの難易度

今回は、都立駒場高校の木村裕美先生の授業設計を紹介したいと思います。木村先生は家庭科の授業におけるPBLで、チームビルドを進めていく手法が特徴です。

①ミッション設定

取材した3学期の授業では生徒たちが4人のチームをつくり、それぞれが担当分野を紹介する動画を作成して最終発表するのをミッションとして設定していました。担当分野の動画を制作することで理解を深め、さらには他のメンバーが作った動画を見ることで、より深い理解を得ることができます。

②リフレクション(チームのリフレクション+論文による個人リフレクション)

チームでのリフレクションをルーブリック評価などで行った後、期末試験で論文が課されることで、内省を促します。駒場高校は進学校であり、大学入試に直結している課題である点も、生徒たちのニーズとつながる設計と言えます。個人のリフレクションは、生徒自身に次のアクションを宣誓させる点が、ポイントであるとのことです。詳しくは木村先生の動画をご覧ください。

生徒が、さらに難しいプロジェクトに挑戦したいと思うように仕向けることも、モチベーション設計上は重要なこととなります。ここで整理したいのはプロジェクトの難度です。

単独で行うプロジェクトと比べて、4人さらには10人のチームで行うプロジェクトの難度は、格段に上がります。また、課題に関わるステークホルダーが多ければ多いほど、利害の対立も生じ、解決する可能性が低くなります。同じ質の課題であれば、隣の席の子の課題を解決する方が易しく、数万人規模の課題解決は難しくなります。クラスの課題なのか、学年なのか、学校全体なのか、地域まで広がっているのか、さらには地球規模なのかで難度は変わります。

一般的には、簡単なプロジェクトから難度が高いプロジェクトへと徐々に移行するのですが、難度の高い課題を解決した後に、自分だけの小さな課題をクリアし、その後再び大人数の課題にチャレンジするといったように、行きつ戻りつしながら年間のプロジェクトを設計していくと、より良い学びになります。

 「今回の解説動画」木村先生の動画はこちら↓

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