【教室と世界をつなぐ「探求」(2)】「クエストエデュケーション」とは

株式会社教育と探求社 代表取締役社長 宮地 勘司
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教育と探求社が全国の中学・高校に提供している探究学習プログラム「クエストエデュケーション(以下、クエスト)」について紹介しておきたい。クエストは、現実社会を題材に、学校の授業で正解のない課題に取り組むプログラムだ。テーマごとに多様なコースが用意されている。

クエストカップ全国大会集合写真

パナソニックや大和ハウス、カルビーなど実在する企業のインターン生となって新たな企画を提案する「企業探究コース」。日経の「私の履歴書」を執筆した企業家や文化人、スポーツ選手などを題材にドキュメンタリー番組を作る「進路探究コース」。困った誰かを笑顔にしたいという思いから社会課題の解決に取り組む「社会課題探究コース」。日常の「あるある」をきっかけに新商品、新サービスの開発に取り組む「起業家コース」。地域企業のリソースを活用して地域の豊かな未来をつくる「地域探究コース」。これらのコースの他にも幾つかのプログラムがある。教育と探求社がワークブックや動画などの教材を生徒に提供し、授業は先生が行う。ストーリーのある4~24コマの授業の中で、生徒たちはチームでそれぞれの課題に取り組んでいく。

クエストの目的は大きく3つ。1つ目は「生徒が自ら学び成長する」こと。答えのない問いに挑み、自ら答えを見つける歓びを知ることで、変化の多い時代を生きていくための基盤となる考え方や学び続ける意欲を育む。

2つ目は「学校が学び合いの場となる」こと。チームで課題に取り組むことで、他者と自分の違いを知り、互いを受け入れることを学ぶ。他者に心を開くことで、教室に心理的安全の場が生まれる。クラスの中の関係の質が高まれば、一人一人の心に余裕が生まれ、安定したクラス文化が醸成される。

そして3つ目が「社会とつながり、社会を変える」こと。クエストを通じて生徒はリアルな社会に興味関心を持つようになる。未来について具体的にイメージしてみることで、社会の中に自らの居場所がありそうなこと、もしなければ自分でつくればよいことを知る。複雑化する社会を当事者として生きることを学び、必要に応じて未来をより良くつくり変えていくことができる人となる。

1年間の探究学習の終わりに、「クエストカップ全国大会」が用意されており、ここではクエストに取り組んだ中高生たちによる、思い思いのプレゼンテーションが繰り広げられる。2021年は全国から3587作品が寄せられた。クエストカップは生徒たちの探究活動の目標であり、豊かな学び合いの場でもある。

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