【ほめ方叱り方(8)】効果的なほめ方

モンテッソーリ&レッジョ・エミリア教育研究者 島村華子
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「おざなりほめ」でも「人中心ほめ」でもない、より効果的なほめ方について、3つのポイントを紹介します。

第一に、「おざなりほめ」をする代わりに、具体的な言葉で対話するように心掛けることです。例えば、子どもが何かを見せに来たり、伝えに来たりしたとき、「すごい」「偉い」と言うのではなく、「明るい色を組み合わせて、華やかな雰囲気が出ているね」「昨日よりも逆上がりのときに足が上がっていたよ」などと、見たままの様子や事実を具体的な言葉で伝えます。「おざなりほめ」が情報不足で何が良かったのか伝わりにくいのに対し、具体的な言葉で伝えると、子どもにとっては自分の長所が理解できる上に、大人が向き合ってくれていることが感じられてうれしいものです。

第二に、「人中心ほめ」を避け、「プロセスほめ」をすることです。つまり、「頭が良い」「やさしい」と子どもの能力や性格だけを賞賛するのではなく、「諦めないで最後まで走り切ったね」「練習を頑張っていたのを見ていたよ」という風に、努力や結果に至るまでのプロセスを認めるのです。「プロセスほめ」の良い点は、「今できなくても、いずれできるようになるかもしれない」と思えるような「グロースマインドセット」と呼ばれる柔軟な姿勢が育つことです。自分の限界を自ら設定してしまう「フィックストマインドセット」と異なり、このマインドセットを持つ人は、「経験や努力で、自分の基本的資質は変えることができる」と考えているため、諦めずに練習を重ねます。結果よりも過程を重視し、「失敗は成長のチャンス」と捉えることができるため、チャレンジ精神が高いという特徴もあります。

第三に、質問をすることです。その際は「楽しかった?」のような単に「Yes」「No」で終わる質問ではなく、「今日お友達といて一番楽しかったことは何だった?」というように、自由回答式の質問をするのがお勧めです。質問をする大人にとっても、質問をされた子どもにとっても、考えるきっかけになります。また、質問をされると、相手が自分に興味を持っていることを実感しやすいため、喜びや信頼の気持ちも生まれ、会話も広がります。

ほめるという行為は、結局のところ、大人が一方的に評価を与えることにすぎません。子どもたちの考えを引き出すこともそうですが、純粋に目の前の子どもに興味を持って、どう思ったかを聞いてみることで、双方のコミュニケーションにつながります。


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