【AI時代の探究のヒント(9)】同じ道を歩き、たくらむ感覚

一般社団法人みつかる+わかる代表理事 市川 力
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日々の不思議を面白がれる人になることこそ、探究する学びの担い手に最も必要なことである。ところが、教師の方たちと話をしていると、この点が最も伝わりにくい部分だと感じる。

「Feel℃ Walk」での「メタメタマップ」づくり

「まず自分が面白がらないと駄目だとは思うのですが、私は市川さんのようには面白がれません」

「自分で探究してみようとは思っても、そんな時間がなかなかつくれなくて…」

「自分の興味や面白がっていることを授業にどうつなげてゆけばいいのかわかりません」

たいていこうした反応が返ってきて、対話は終わる。気持ちはよくわかるが、「相手をどうしたいか」という関係性づくりや「相手に何をやらせたいか」という授業づくりの発想をいったん手放し、「子供の好奇心に火を付ける」のではなく「子供と共に自分の好奇心に火を付ける」と発想してみてほしい。どうしたらうまくいくかわからず、不安な気持ちを持っていることを素直にさらけ出し、だからこそ一緒に発見を積み重ねてゆく仲間になろうと呼び掛ける。なぜならば、それが新しい何かをつくり、変化に対応するときの必然だからだ。すると、その結果として子供たちとの関係性が変わり、先行きが見えない中でも試行錯誤しながら進める勇気を持てる。

この感覚をすぐに実感でき、日々積み重ねて習慣化してゆくために行うのが「歩いて、たくらむ」ことだ。自分が率先して「Feel℃ Walk」をし、発見し、メタメタマップを描き、妄想仮説を語る。お互いの発見を愛で、思い付きを臆せず言う。そんな場を、教員と学び手の間でもいいし、親子でも、同僚同士でもいいのでつくるのだ。

そうして子供などそっちのけで、「これが面白い、じゃあこういうこともある」などと熱く語っていると、われわれの話など全然耳にしていなさそうな子供が、「私はこう考えた」と自分で描いた絵やらメモやらを見せて、突然語り合いに加わってくる。それが、話題に関係することもあれば、全然関連しないこともある。こうした非同期で時間差のある関わりこそ、好奇心に火が付き「共にたくらむ仲間」となった状態だ。一緒に探究の道を歩き、たくらんでいる仲間が共有する感覚とは、こういうものだと体感すること。ここから全ては始まる。


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