【ICT×学び合い(2)】ICT担当の役割とは

HILLOCK初等部カリキュラムディレクター 五木田洋平
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今回は、ICT担当とはどういった「目的」「役割」「権限」を与えられているのかを示すとともに、ICT担当と管理職が一体となって環境を構築していくという立場を取ってほしいとの思いを記します。

ICT化が進むことに対して、職員一人一人の思いは違うはずです。ICTに対して漠然とした期待を持っている人もいれば、効率化を促したい人もいます。一方で、「ICTは苦手だから使いたくない」という人もいると思います。

管理職にとっては前例がないことなので、慎重にならざるを得ないでしょう。誰が悪いわけでなく、そういった方の立場を理解すること、ICT化の推進によるメリットとそれにかかるコストを考慮して全体像を描くこと、それがICT部主任としての仕事です。大変な側面も多分にありますが、非常に創造的な仕事でもあるはずです。

この役回りを任される担当者は、若い人が多いかもしれません。それ自体はいいことですが、ICT担当の仕事は環境の構築と維持、改善です。そうした役割であることについて、ICT担当と管理職が共通認識を持つことがスタートです。

教育業界は慢性的に人員不足で、管理職が校内の人員配置に気を配られていることは重々承知しています。適任者がおらず、前例がない中で、十分な予算と人員を充てるのは難しいことでしょう。そうした現状を理解した上で、管理職の方にお願いしたいのは、ICT推進への予算、人員、学習機会の確保です。

私自身、ICTは専門ではなく、むしろ疎かった方です。大学を卒業するまでは、ほとんどインターネットを使わない生活をしていました。それ故に、校内のICT化を進めるにあたって、力不足による失敗や苦労もありました。そのたびに周囲に支えられ、少しずつ環境の構築に貢献できるようになりました。

そこで感じたのは「パソコンやタブレット端末をどう使うか」という「How to」よりも、教職員一人一人の現在の気持ちと状態を認識するとともに、どんな目的でどんな世界観(学び方、働き方、教職員・保護者・児童同士の関わりなど)を目指していくかを深く考えることの大切さです。また、推進していくためには、そうした考えや技術をどう「普段使い」にしていくか、全員がストレスなく使える環境をどうつくるかといった論点の方が大切だと考えています。

具体的な実践について書く前に、管理職やICT担当に、この役割の大切さをご理解いただけたらと思います。次回からは、具体的なゴールとスタートの仕方について述べていきます。

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