【ICT×学び合い(3)】ICT推進の「最低限のゴール」

HILLOCK初等部カリキュラムディレクター 五木田洋平
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今回は、ICT推進の「最低限のゴール」の設定についてお話します。本連載の第1回で書いた通り、学習者(児童生徒・教員・保護者)が、知的で安心してお互いに学び合える環境を構築することを、最終的なゴールに見据えています。「最低限のゴール」のイメージは、端的に言えば、①教職員、児童生徒に不備がない設備があること②ポリシーを決めること③全体像を想定した始め方をデザインすること――の三つです。

①の不備がないということは、「全員がいつでも使える端末を持っていて、基本的なウェブサービスがスムーズに使えるネットワークがあり、適切なセキュリティーの下、運用されている」状態です。これはICT担当の仕事ではなく、教育委員会やサービス事業者、予算を管理する側の仕事になります。

②のポリシーとは、困ったときに立ち戻るべき憲法や法律のようなものです。これはICT担当が考え、管理職が承認するといった形になると思います。理想を言えば、ICT担当と管理職が一緒に考えられたらいいと思います。誰かが作ったものよりも、自分たちで作ったものの方が理解も深まり、かつ、守り続けやすいからです。

ただ、管理職は立場上、リスクに関しては慎重な立場になるでしょう。しかし、何から何まで禁止にしてしまうと、推進する動機が生まれません。そういったときこそ、このポリシーという考え方が大切になります。

車の事故を例にとって考えてみましょう。事故が起きてしまったとき、車を発明した人、車を作ったメーカーに全責任があるのでしょうか。そうではないのは法整備がされていて、かつ運転スキルを育成・保証する教習所や免許制度があるからです。もちろん車自体に不備があれば責任はメーカーにありますが、そのような切り分けもポリシーがあればできます。

ICTに関しても同様の考え方をすることで、メリットとリスクのバランスを考慮したルールを作ることができます。このルールは定期的に振り返って、施行が難しいところは変更し、施行できているところは続けていくべきです。上手に使える人が増えてきたら、自由度を上げてもよいでしょう。上記についてより具体的に知りたい場合は、「ICT運用のポリシー・ルール」をまとめた資料がありますので、私のホームページからお問い合わせください。

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