【ICT×学び合い(4)】全体像を想定した始め方をデザインする

HILLOCK初等部カリキュラムディレクター 五木田洋平
この連載の一覧

今回は「全体像を想定した始め方をデザインする」ことについてお話します。意識することは、①すでに教職員が持っているスキルを使うこと(ローマ字入力ができる、ワード・一太郎が使える、など)②すでに使っているものより一つ機能を追加したものからスタートすること③全員が使い始める研修会を設けること――の3点です。

「報告」と「議論」

お勧めは、「Google スライド」です。これを使って、お互いが自己紹介をする研修をやってみましょう。書く項目は名前、担当クラス・学年、役職、所属していた部活動などの他に、「コロナが明けたら行きたい旅行先」などでもOKです。人柄が感じられて会話が弾むものがよいでしょう。

このワークショップの狙いは、共同編集の便利さを体感することと、明るい雰囲気でICTに親しんでもらうことです。それができたら、いよいよICTを普段使いしてみましょう。

まず「Google スライド」で、図のようなシートを作成します。議題を「報告系」と「議論系」に分けます。会議が始まって5分ほどは、各自で打ち込みます。理想は会議前に打つことですが、そのための時間を持ってもらうのも大変なので、私は会議の最初に打ち込んでもらうことにしていました。

打ち込んでもらったら、まずは「報告」の段階です。読むだけでも、重要なところだけを口頭で話すのでも構いません。ここまで、内容を書くのが5分程度、「報告系」を読むのが長くても10分程度です。

週に1回、学年会などを開いたとして、その時間を1時間取れることはまれで、せいぜい45分程度ではないでしょうか。でも、この方法であれば30分程度、議論する時間が取れます。

また、このやり方だと全員が書き込むことができるので、声の大きい人や立場が上の人だけが話して終わるということも少なくなります。新任の先生は、分からない単語にコメントをつけることで、自然に質問することができるでしょう。

このように、「どう機器を使えるようにするか」よりも、「お互いが自然な会話をする環境をつくること」の方が大事です。私たちは授業の合間や放課後などに会議をしなくてはいけません。簡単に会議の時間を延ばせるものではないからこそ、有益な会議の仕方を開発するべきです。情報の伝達(Information)と人との関わり方(Communication)を改善していくことが大切で、ICTはそのための道具、技術なのです。

この連載の一覧