【ICTと子どもの健康(6)】授業の中で目の疲れに配慮する

東海大学情報通信学部情報メディア学科教授 柴田隆史
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 目の疲れと近視は異なるものですが、どちらも近くを長時間見続けることが原因の一つと考えられています。そのため、「近くを長時間見ないようにする」ことが、どちらに対しても予防になります。文科省による健康面に関する留意点では、その具体的な指針として、(1)目と画面との距離を30センチ以上離すことと(2)長時間の連続利用を避けて少なくとも30分に1回は20秒以上画面から目を離して遠くを見ること――を挙げています。この2点は、子どもの目の健康を守るために、学校の先生方にはぜひとも授業の中で心掛けていただきたいと思っています。

 (1)の30センチというのは、あくまでも基準であり指針です。目から画面までの距離が30センチを超えれば絶対に安心ということではありません。それよりも離した方が、目への負担は軽減します。30センチという数字は、端末を使うという実用面とのバランスも関係しています。テレビを見るのとは異なり、端末は手で持ったり机の上に置いたりして使うので、遠ざけるのにも限度があるからです。教室では、適切な高さの机と椅子を使用し、児童生徒が姿勢を良くすれば、目から画面までの距離は30センチ以上になると思います。そのため、画面に目を近づけてしまわないように、姿勢を良くすることを指導するとよいでしょう。

 また、児童生徒自身が、30センチがどのくらいの長さなのかを知っておくことも重要です。例えば、自分の腕の長さを物差しにして30センチのおよその長さを理解させ、自らの健康について自覚を持って学習に取り組めるように指導するとよいと思います。一例として、図のような方法を提案します。自分の腕であれば、いつでもどこでも長さを意識できるという利点があります。

 (2)については、30分までは画面を見続けてもよいという考え方ではありません。端末を使う一度の学習活動が、長くならないように配慮して授業を進めるとよいと思います。そして、画面から目を離すという子どもの行動は、授業の流れの中で自然に行われるとよいと考えます。言うまでもなく、授業では端末だけではなく、プロジェクターや電子黒板などの大型提示装置、黒板などが複合的に使われます。児童生徒がそれらを見たり先生を見たりする行為が、遠くを見させて目を休ませることにつながります。例えば、もし少し長い時間、端末を使うような学習活動を行う際は、その途中において大型提示装置や黒板を使った説明や確認などを入れるとよいと思います。

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