【探究学習のメソッド(3)】[課題の設定] 好奇心旺盛に探究できる課題が最強

東京学芸大学准教授 登本洋子
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今回からは、「探究のプロセス」を一つずつ説明していきます。第3回は「課題の設定」です。

「課題の設定」では、探究したいことを生徒が自分自身で見つけることが大切です。でも、「課題の設定さえうまくいけば、後は大丈夫」と思うことがあるほど、探究のプロセスの中で「課題の設定」が最も難しいと感じています。探究なので、生徒にはできる限り自分の興味・関心に基づいた課題を設定してもらいたいのですが、「何にも興味がない」「何にしてよいのか見当がつかない」という生徒が少なからずいます。

そうした生徒には、自分の興味・関心をイメージマップに書き出すワーク、困っていることや気になることを書き出すワークなどが有効です。興味・関心が見つからない場合には、新聞記事や近頃の話題が分かる資料などを用意して、どういうことやものが気になるのか、探してもらうのもよいでしょう。それでも見つからない場合は、教員から課題を与えてしまうのではなく、生徒の興味・関心をうまく聞き出しながら提案するように示していくと、「それだったらやってみてもいい」くらいかもしれませんが、見つけることができます。

テーマに関して生徒の前提知識が少ない場合は、簡単に調べてから課題を設定するのもお勧めです。社会問題ばかりに目を向けさせると生徒はとっつきにくいようなので、身近な問題から始めて、社会に目を向けさせるようにするのもよいでしょう。特に中学校段階では、生徒から出てくる単語をよくよく聞くと、保護者の仕事と関係していたり、自分の悩みに深くつながっていたりすることが少なくありません。

また、「~について」という課題にすると、羅列的な紹介で終わってしまうケースが少なくありません。課題は大きすぎず、小さすぎない問いの形にし、その問いに対して仮説を立てられると、その後の探究が深まります。この加減が難しく、課題が大きすぎると扱いきれないものになり、小さすぎると探究することなく、すぐに解決してしまいます。

一方、課題の設定にこだわりすぎると先に進めなくなってしまうので、問いは探究のプロセスを進めながら、育てていくものと捉えるのがよいでしょう。学校全体で設定している探究テーマがある場合は、「環境問題」といった共通のテーマから、自分なりの課題を設定するということもできます。

自分なりの視点で課題を設定できれば、探究はとても面白いものになります。生徒が興味を持って、好奇心旺盛に探究を深められる課題がベストです。

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