【探究学習のメソッド(4)】「情報の収集」① 調べる手段はいろいろ

東京学芸大学准教授 登本洋子
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探究のプロセスの「情報の収集」について、第4回・第5回の2回にわたって説明します。

メディアの特性(出典:後藤芳文・伊藤史織・登本洋子著『学びの技』玉川大学出版部)

「情報の収集」において注意したいことは、生徒は「インターネットで検索すれば何でも分かる」と考え、そして「そこに書かれていることはおおよそ正しい」と思っている点です。

そのため、「情報の収集」では生徒たちが本や雑誌、新聞、オンラインデータベース、論文、統計資料など、ウェブサイト以外にも価値あるメディアがあることに目が向けられるように工夫をし、適切なメディアを選択したり、情報の信ぴょう性を判断したりすることを指導できるようにしておきましょう(図参照)

生徒たちがメディアの利用に慣れていない場合は、一つずつ使い方を取り上げ、活用できるようにするとよいでしょう。それぞれのメディアの特性を知ることで、使い分けができるようになります。「調べるときにはインターネットだけでなく、必ず『本』や『論文』を用いること」と条件を付けるのもよいでしょう。

本は、読み慣れている生徒と、そうでない生徒の差が大きいメディアです。図書館の使い方などを通して本の探し方から教えたり、本を頭から読むのではなく、目次を確認した上で全体をぱらぱらめくって、目的の情報が載っているかを探させたりするような指導も有効です。地域の図書館の活用方法も伝えると、生徒の情報収集の幅が広がります。書店や図書館のOPAC(オンライン蔵書目録)は、インターネットで利用できるところも多く、便利です。一方、図書館の棚から選ぶと、付近の本も併せて目に入るので、気が付いていない本に出合えることがあります。

雑誌は種類によりますが、図解されているものも多く、生徒が概要をつかむのに適しています。

新聞は、設定した課題についての社会的動向を知るのに便利です。昨今は新聞を購読していない家庭も増えており、新聞の構成も簡単に説明するようにします。朝日新聞や読売新聞は、小・中・高校生向けのオンラインデータベース(有料)があり、紙面を保管していなくても、横断的に検索することができます。

論文は、CiNii ArticlesJ-StageGoogle Scholarなどのサイトを使って探すことができます。これらのサイトで公開されていない論文の取り寄せは難しいため、授業では参照可能なものを用います。論文は一見難しそうに思えますが、生徒からは「端的にまとめられていて分かりやすい」と好評です。調べているテーマがどのような学問分野に分類され、どのような研究が進められているのか、そうした視点から大学について調べれば、生徒のキャリアにもつながります。

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