【リフレクション(4)】リフレクションはどのように行えばよいのか②

東京都三鷹市立第三小学校主任教諭 山下徹
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 今回も前回と同様、リフレクションをどのように行えばよいかについてお伝えします。

ピークエンド効果(「ピークエンドの法則」ダニエル・カーネマン提唱)

 前回、リフレクションを行う際、当事者のモチベーション(向き合う姿勢)や問いが大切だと述べました。今回はそれに加えて重要なことを2つお話します。

 1つ目は、振り返る際、感情、心の機微に敏感になることです。人は、自身の感情や価値観に沿って行動しがちです。それは、その人の感情や価値観が過去に経験したことを基に形成され、知らず知らずのうちに行動に影響を及ぼしているからです。そのため、感情に焦点を当てて振り返るように促します。

 ただ、子供たちは、感情を敏感にキャッチすることに慣れていないので、「感情に焦点を当てて振り返ろう」と言ってもすぐにできるようにはなりません。そこで、日々の感情に向き合う練習から始める必要があります。私のクラスでは毎日のように、心が動いたことについてのペアトークをします。普段の何気ない行動から、感情に敏感になれるように習慣付けることが必要です。

 また、普段からいろんな感情に気付くように、感情のイラストを何種類も用意し、その中から子供たちが選んで話をしてもらうようにしています。このような活動を積み重ねていくと、少しずつ感情に目を向けられるようになります。

 2つ目は、振り返り方です。客観的にある事象だけを振り返るのではなく、一つ一つの事象を集め、全体を俯瞰的に振り返ることも必要だということです。

 一つの事象として運動会などのプロジェクトを振り返る際、ほとんどの人は、ピーク(最も感情が動いた時)とエンド(一連の出来事が終わった時)の記憶が、その出来事全体の印象を決定付けます。そのため、振り返りにおいてプロジェクト全体の過程に意識が向かず、過程の大切さに気付けません。 

 そこで私のクラスでは、まずプロジェクト全体の感情曲線(図参照)を描き、それぞれの感情曲線に合った出来事を書き並べていきます。すると、感情の波が見えてくるようになります。その後、その波を俯瞰して振り返ります。すると、今までは、一つの事象として捉えると失敗としてしか捉えられなかったことが、全体として見ると成功のために必要な失敗であったというように、意味を持って過程が見えるようになります。このようなことがとても大事だと考えます。

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