【探究学習のメソッド(5)】「情報の収集」② 自分の足で探す

東京学芸大学准教授 登本洋子
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第5回は前回に続き、探究のプロセスの「情報の収集」について説明します。

近頃の検索エンジンは、検索するキーワードの候補が検索窓に表示されるようになり、生徒はこれを頻繁に使っているので問題なく検索できると思ってしまいがちです。しかし、実際に検索させてみると、文章で入力していたり、検索するキーワードを別の角度からの言葉に変えられなかったりして、求めている情報にたどり着けないことが多々あります。そのため、授業では検索の方法についても改めて説明するとよいでしょう。また、いわゆる「まとめサイト」などは概要を知る上で便利ですが、情報の信ぴょう性についても生徒たちが判断できるようにしましょう。上手に検索できるようになって、玉石混交の情報の中から目的以上の情報を探し出せるようになると、面白くなります。英語のウェブサイトも積極的に活用したいものです。

前回、本や新聞などのメディアを使った情報の収集について述べましたが、発表資料や論文・レポートで出典を示すために、使用したメディアのタイトルなどを記録しておくことも大切です。後からでは何を参照したのか分からなくなり、もう一度確認したいと思っても、探し出すことができなくなってしまうことがあります。

そして、探究における「情報の収集」の醍醐味(だいごみ)は、なんといっても自分の足で探すことです。具体的な方法としては、アンケートやインタビュー、実験・観察、フィールドワークなどがあります。

アンケートやインタビューはいきなり行うのではなく、基本的な手順を確認してから行うようにします。アンケートは従来のように紙で尋ねることもできますが、ウェブアンケートを活用すると、遠方にいる人にも依頼することができます。また、ツイッターやインスタグラムでも簡単に行えますが、活用するアプリなどにより、どのような集団が調査対象になるのかを考えるよう促します。

インタビューは、ZoomやGoogle Meetといったビデオ会議システムが普及したことにより、高校生にとっては取り組みやすくなったのではないかと思います。とは言っても、断られてしまうことも少なくないため、生徒には理解が得られないことがあることもあらかじめ伝えておきつつ、ぜひ「アポ取り」の段階から挑戦させたいものです。

実験・観察は、学校でできること、できないことを事前に示し、生徒が可能な範囲で工夫して取り組めるようにします。外部の協力が得られるようであれば選択肢が広がります。実際に現地を訪れるフィールドワークや、美術館や博物館も活用すると探究が深まります。本やウェブサイトで調べるだけでなく、自分の足で得た情報の価値を実感させたいものです。

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