【探究学習のメソッド(6)】「整理・分析」① 探究の全体を見通す

東京学芸大学准教授 登本洋子
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探究のプロセスの「整理・分析」について、第6回・第7回の2回にわたって説明します。

探究マップ(出典:後藤芳文・伊藤史織・登本洋子著『学びの技』玉川大学出版部)

「整理・分析」は、これまでに集めてきた情報を整理したり、分析したりするプロセスです。「整理・分析」では、前過程の「課題の設定」「情報の収集」がうまくできていないと頓挫することになります。そのため、「課題の設定」「情報の収集」の段階から、「整理・分析」のことを念頭に置きながら進められるようになるとよいでしょう。また、「整理・分析」の段階では、次の「まとめ・発表」で、何をどのように相手に伝えるのかを念頭に置きながら進めるようにします。

図の「探究マップ」は、中央大学附属中学校・高等学校の齋藤祐先生が高校3年生を対象とした論文指導で使用されていたものを簡略化したものです。「論題(問い)」「基本知識・問題の背景」「根拠」「結論」の構成になっていて、発表や論文執筆の構成にも対応しています。「結論」は、「課題の設定」の段階で「仮説」として書きます。そして、この「結論」を導くための「根拠」には何が適切なのか、「根拠」の裏付けになるものは何なのかを整理して書きます。根拠の裏付けは思いつきではなく、使った参考文献(詳細は別紙に記入)とともに挙げます。

この一枚の「探究マップ」を使うことで、生徒は探究の全体を見通しながら進めることができます。図を例に挙げれば、生徒の関心は「給食」や「弁当」です。そこから「弁当を持参すべきか」や「給食を廃止した方がいいか」といった「問い」が設定されます。この「問い」に対して「弁当ではなく給食を継続すべきである」は、最初は仮説ですが、最終的には「結論(主張)」になります。

探究を進めるうちに、「問い」や「結論」も深化したものになっていきます。「根拠」「根拠の裏付け」を整理することで、考えが深まっていくためです。このように、探究の深まりによって、「問い」が育っていきます。「根拠」「根拠の裏付け」は、自分の主張のためにどのような根拠を持ってくるのがよいか、往々にして自分の主張に都合がよい情報ばかりを集めてしまいがちですが、逆の立場の人はどのような意見を持っているのかなどを整理しながら、検討することができるようになります。

初めて「探究」に取り組むときは、教員も生徒も全体の見通しが持てないものですが、「探究マップ」を使うことで、迷子にならずに進めることができます。

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