【リフレクション(6)】リフレクションにはレベルがある

東京都三鷹市立第三小学校主任教諭 山下徹
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 本連載ではこれまで、リフレクションをどのように行うのかと方法論について述べてきました。子供たちのリフレクションシートを集め、リフレクションカードの開発者、大学教員と共に2年間分析し続けた結果、表のような変容が起きることが分かりました。

体験記述ルーブリック(改訂版)

 リフレクションは、「どのように行うか」に着目するだけでなく、リフレクションの「レベルを上げる」ことが大切であると考えます。

 教師からのインストラクションがないままリフレクションをすると、ほとんどの子供たちがレベル0~1にとどまります。リフレクションに対して、起きていたことや事実を単純に描き写しているだけ、または「出来た・出来ない」にとらわれた記述をすることが多くなります。このようなリフレクションでは、体験の記述はできていても、体験を掘り下げて新たな気付きを得て、学びにつなげていくことは難しくなります。

 レベル2では、体験に加えてその理由の記述をするようになります。教師がインストラクションをすれば、ここまでは書けるようになります。ただし、理由を書く際、抽象度が高い理由しか描けないことが特徴です。理由を書くことはできるものの、体験を捉えることに慣れていないと、体験を具体的に振り返ることはできません。少しずつ、体験を捉えることができるようになると、抽象度の高かった振り返りが具体性を帯びてくるようになります。より詳細に体験を捉え、具体性を帯びてくるようになると、気付きの幅が出てくるようになります。これが、レベル2+の段階です。

 レベル3では、体験に基づき、その子なりの気付きを記述しようとします。レベル3の気付きは、抽象度が高いレベル2の段階の子供たちからも出てくるのですが、体験の捉え方がまだできていない子供たちは、レベル3+、レベル4には到達しません。体験をいかに捉え直すかが、リフレクションにとって鍵となります。

 その際に大切になってくるのが、リフレクションに対する本人の向き合い方です。リフレクションが大切だと子供たちが腹落ちしていればだんだんと変容していきますが、向き合い方が変容しないと困難になります。ここでも、リフレクションとの向き合い方が大切になります。

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